【ビジネス 】「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」を読んで特に重要と思った基本5選
「グローバル化」と叫ばれる昨今において、世界に展開するトップ・グローバル・ファームの社員や、世界で活躍するトップ・ビジネス・スクールの卒業生には何らかの「常識」「価値観」「ルール」のようなものがあるのだろうか?
そんな疑問を解決してくれたのがこちらの書籍になります。
世界のトップエリートが大切にしている事、それは「基本に徹する事」でした。
本書では徹すべき48の基本を具体的に紹介しています。
本ブログでは本書を読んで、特にコンサルタントとして重要だと思う基本5選を紹介していきます。
- 1. 人間関係は名前を覚える事から
- 2. 本を読んだら3倍考える「マッキンゼー流読書術」
- 3. 紙とペンは使いこなす事で最高の課題解決アイテムになる
- 4. 服装は個性よりも清潔感を大事にする
- 5. 仕事を頼まれたらその場で完成イメージを共有
- 最後に
1. 人間関係は名前を覚える事から
「人間関係は名前を覚える事から」これはあまりにも基本中の基本ですが、意外と相手の名前を覚えていない人もいれば、覚えていても商談中などに先方の名前を呼ば無い人が多くいます。
これは非常にもったいない事です。というのも、相手の名前を呼ぶという事は非常に大きな意味があるからです。
本書では名前を呼ぶことの大きな意味を下記のように説明しています。
事実、久々に会った知り合いが、あるいは、会ったばかりの相手が、自分の名前を親しげに呼んでくれたら、悪い気はしないでしょう。むしろ、相手に対して、うっすらと好意を抱くのではないでしょうか。 相手は、きっと自分に興味を持ってくれているか、好意を持ってくれている。あるいは、自分は相手に対して、印象深い「何か」を持っているのかもしれない。いろんな理由が頭をよぎるでしょう。そして、相手が自分の名前を覚えてくれているのなら、自分も相手の名前を覚えようという気持ちが湧きあがります。
引用元 2013/09/13 朝日新聞出版 戸塚隆将
33P
コンサルタントは形のない商品を取り扱う事が多いため、信頼関係を築く事がとても重要になります。
わざとらしくではなく、自然に相手の名前を何度も呼び、先方に自分は特別な存在であると思ってもらえるようにしましょう。
2. 本を読んだら3倍考える「マッキンゼー流読書術」
コンサルタント業では、組織が積み上げてきたノウハウを利用する事で依頼人の問題を解決出来る事があります。しかし、問題は依頼人によって千差万別であるため、時にはノウハウの通用しない場面に遭遇する事があります。そんな時は自分なりの論理的な解答を用意する事が重要となってきます。
本書では自分の意見や考えを構築するためのトレーニングとしての読書術を下記のように説明しています。
インターネットやスマートフォンのおかげで、以前に比べて、情報収集は、信じられないほど容易になりました。逆に言えば、情報(インプット)そのものでは差をつけにくく、その情報からいかに自分なりの意見を持ち、さらには意味合いを導き出せるか(アウトプット)こそ、価値の源泉になりつつあります。 どのようにして、自分の意見や独自の考えを構築すればよいのでしょうか。 まずは、読書なり、新聞なりを読んだ際に、読んだ時間以上に考える意識をつけることが効果的です。元マッキンゼー日本支社長の大前研一さんは、「読んだ時間の3倍考えなさい」と言っています。一冊の本を一気に読み進めた時に2時間かかるとすれば、その3倍の6時間考えることです。私も、日頃から「読んだら3倍考える」を実践しています。
引用元 2013/09/13 朝日新聞出版 戸塚隆将
77P
具体的には読んだ本を章ごとに自分の言葉で取りまとめる、章の骨(章で一番言いたい事)と肉(言いたい事を補完するための仮説・説明)に振り分けるなどをする事が重要だと思います。
以前紹介した東大読書では同じような書籍を2つ購入し併用して読む事で、読書の吸収量を高めるとともに、異なる説明・意見を読み取っていく事を勧めています。
マッキンゼー流読書術と通ずる内容も記載してますので是非ご参照ください。
3. 紙とペンは使いこなす事で最高の課題解決アイテムになる
以前マッキンゼー流ノート術を紹介させてもらった事が本書にも記載されています。
デジタル機器は便利ですが、時には紙とペンだけでを使って思いついたまま書き出すというプロセスがとても重要になります。
もともとマッキンゼーでは新人の頃から紙に書いて資料を作る、紙にまとめて発言する、紙に書き出して整理する事など、紙に書くという事を徹底して鍛えています。
本書では下記のように紙とペンを活用するように説明しています。
①まずは頭に浮かぶことを書き出す
清書をするのではなく、落書きをするイメージです。パワーポイントを開くと下書きよりも、最終形の文書を作ろうと意識しがちです。紙とペンは気軽に消して書き直せます。綺麗な文書や図表を作ろうとせず、頭に浮かんだことをまず書き出してみることです。
② 論理構成・因果関係・優先順位・言葉の表現を気にしない
頭の中で論理構成を組み立てるのは簡単ではありません。優先順位付けを行うことも容易ではありません。適切な表現を見つけ出すことにも時間がかかります。まずは、書き出してから整理するという発想でペンを走らせます。
③ 何度も書き直しながら整理をしていく 一度書き出したアイデアや考えを見直し、「ピラミッドストラクチャー」にしてみたり、図、表を書いてみたりします。その繰り返しの過程から、論理が通り、適切な表現を見つけることができるようになります。
引用元 2013/09/13 朝日新聞出版 戸塚隆将
97P〜98P
世界最強のコンサルタントファームが紙とペンを押しているのですから、コンサルタント業務に関わる人は参考にしましょう!
4. 服装は個性よりも清潔感を大事にする
ゴールドマン、マッキンゼーはともに世界最高峰の組織であり、当然年収も高いです。そんな彼らが身につけている服や時計は一般市民では手に入れにくい・・と思いきや、実はそんなことはないようです。
一流のプロフェッショナルが必ずしも高級なスーツやシャツを身につけているとは限りません。共通しているのは、やはり清潔感です。地味ながら仕立てが良く、生地が見るからに艶のある高級スーツを身に着けている人。強いこだわりとフィット感を求め、オーダースーツに身を包む人。一方で、過度なこだわりを持たずに適度な価格のスーツを着こなしている人もいます。
引用元 2013/09/13 朝日新聞出版 戸塚隆将
117P
個性的な見た目よりも清潔感を重視しています。
清潔感の中でも特に靴は他人から見られやすいことから、メンテナンスは頻繁に行っているようです。
5. 仕事を頼まれたらその場で完成イメージを共有
お恥ずかしい話、仕事を頼まれた時、勝手な解釈で仕事を進め、成果品が上司のイメージと異なっている事が多々あります。
このことに対して本書では下記のように対応するよう促しています。
仕事を引き受ける際には、その場で指示者と仕事の完成イメージを共有しましょう。そのためには、まず5W1H(誰に、何を、いつ、どこで、どんな理由で、どのようにして)を明確に確認することです。
引用元 2013/09/13 朝日新聞出版 戸塚隆将
161P
あまりにも基本的なことなのですが、自分自身こういう事が出来ていないなと反省しました。完成イメージの擦り合わせに5分の時間をかけるのか、間違った成果物を作って修正に数時間かけるのかどちらが良いかを考えた時、やはり最初にすり合わせをすべきでしょう。
最後に
本書はとにかく実体験に基づいた内容が具体的に記載されており、読み応えがあります。
特に著者である塚本氏がもともとコンサルタントに所属していた事もありますので、コンサルタントの方は読んでみると良いと思います。