【MBA】戦略販売 法人セールスは、戦略的に考える
ミラーの著書「戦略販売」には長期的信頼関係を作るセールスの6大要素が記載されています。本書では法人営業の成功率を高めるためのノウハウがいくつか紹介されていますので、その中でも特に大事と思ったところをご紹介します。
法人営業の成功率を高める要素1 :決済者の視点を意識する
法人相手に営業する際は、決裁者が複数人数いる事を意識しなければなりません。
目の前の担当者を口説き落とせてもその上司や商品を扱う事になる現場主任等が納得しなければ契約には至りませんので、担当者とある程度仲良くなった段階で決裁者を聞き出し、決裁者の意向がどのようになっているのか確認しておく必要があります。
この時、複数いる決裁者(買い手)の購入に対する視点を押さえておくと営業がスムーズになります。
- エコノミックの視点・・・価格が価値に見合うかを考える。判断基準は採算性であり、組織上層部にいる事が多い。
- ユーザーの視点・・・実際に商品を使う人が持つ視点。商品を使った際の仕事への影響を考える。
- テクニカルの視点・・・商品に対して技術的な問題等を強く意識する人の視点。
エコノミックな視点を持つ人(組織上層部)に技術的な話を熱心にしても、それは技術の担当者と話をしてくれと思われてしまいますので、目の前の決済者はどの視点を重視しているのかを見極め、対応をしていく事が重要となります。
法人営業の成功率を高める要素2:見込み客のタイプを見極める
見込み客には主に4つのタイプがあります。
- 成長志向型・・・高い目標に現場が追いついていない状況。例)売上が拡大する中で設備投資等が追いついていない場合、設備増強の提案をすると契約してもらいやすい。
- トラブル型・・・トラブルが発生している状況から正常な状態に戻したいと考える。
- 平静型・・・現場に対して問題を抱えていないのでこちらからの提案には否定的になる。
- 自意識過剰型・・・現場に満足しており自信満々な状態。売り込み成功の可能性はゼロ。
成長志向型とトラブル型に関しては、「理想の状態」と「現在の状態」のギャップを明確にしてゆき、それぞれに対する課題を説明していく事が重要となります。
逆に平静型と自意識過剰型は現状では売る事が難しいので、何かあった時に相談に乗るとだけ伝えておきましょう。
法人営業の成功率を高める要素3:理想の顧客像を決める
ミラーは3割の顧客はコストだけがかかり利益が出ない「売ってはいけない顧客」だと言っています。
自社にとって本当のターゲットとなる「理想の顧客」を設定する事は売上貢献のみならず、自社の品質をしっかり理解してくれる顧客の獲得にも繋がります。
理想の顧客を見出すためには過去の案件を振り返り、最も好ましい顧客とそうではない顧客を書き出し特性を列挙し、分析する事が重要となります。
この結果、自社の品質を評価せずに値引きを求める顧客とは最初から取引をしないと言った方針を打ち出し成約率を高めた企業もあるそうです。