【ビジネス】一流の思考法〜MECEの活用 一つの事象を様々な切り口で説明しよう〜
1.MECEについて
ビジネス、プロジェクトにおいて自らの意思を相手に伝えるとき、その根拠や方法に「重複・漏れ・ずれ」があっては相手の理解を得ることはできません。
「重複・漏れ・ずれ」が説得力を損なう理由はこちらに記載してあります。
「重複・漏れ・ずれ」を無くすためには、伝えたい事(結論や意思)の「あるべき全体像」を、あなた自身がしっかりと把握し、それが「重複・漏れ・ずれ」のない「部分の集まり」であることを知っておく必要があります。
この考え方をマッキンゼー社ではMECEと呼んでいます。
2.MECEの考え方があれば、色々な切り口で仕事ができる
MECEにおいて各部分集合(上図の部分集合A~C)を理解すると、1つの事象を様々な側面、場面で説明できるようになります。
どの切り口で説明するのが一番伝わりやすいのか、選択の自由度が高くなります。
ここで一つ例えです。
自分の仕事に災害によって生じた廃棄物の適正処理計画を作るというものがあります。
業務名は災害廃棄物処理計画策定とかになるんですが、これをまだ作っていない自治体さんが結構います。
ですので、災害廃棄物処理計画を作ってもらうためにコンサルタントは自治体に何を伝えなければいけないのかを考えます。
その際、伝える事の全体像を考えるとともに部分集合を考えることになります。
目的は災害廃棄物処理計画を作ってもらう事とすると、①災害廃棄物で起こりうる問題、②他自治体の対応、③そして仕事を自社でしてもらうためのメリット を切り口に話すと良い事になります。
図にある災害廃棄物問題ばかり説明していても、不安感を募らせるだけになってしまいますし、P社でやる意義ばかり説いても計画を立てる事自体の必要性を理解してもらえません。
他自治体の対応を説明しても、だったらP社に頼らなくてもできんじゃないの?と思われかねません。
いろいろな切り口をもっていた方が、お客さんを説得しやすくなります。
(まぁそれでも入札となるとこれまでの努力が無になりますが)
3. MECEの切り口をたくさん持とう
くどいようですが、物事をMECEに整理する切り口はできるだけたくさん持っていた方が良いです。
MECEのポケットをたくさん持っている人は、相手を説得する自由度をそれだけたくさん持っているだけでなく、ユニークなMECEの切り口は、伝え手自身に新鮮なものの見方をもたらし、クリエイティビティを刺激してくれます。
ここでは、MECEの切り口となるフレームワークをいくつか紹介します。
3.1 事業や企業の現状分析には「3C/4C」
「3C」もしくは「4C」とは、事業、あるいはその企業や業界の現状を全体集合としたとき、これらを押させておけば、一応全体を網羅したと言えるものとなっています。
4つのCとは、顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、そしてチャネル(Channel)を意味します。
市場や顧客の状況を知り、競合の状況、そして自社の状況を押さえると、一応、事業の現状の全体を押さえたことにしよう、業界によっては卸や代理店といったチャネルが事業のカギを握る業態もあるので、そのような場合はチャネルの状況を押さえておこう、というものです。
3.2 商品のマーケティングには「4P」
4Pとは、ターゲットとする顧客に、どのような特性を持つ商品(Product)を、どのような価格(Price)で、どのようなチャネル(Place)を使って、どのような訴求方法(Promotion)で届けるのか、の4つのPで始まる要素を指します。
3.3 ステップや流れによるMECE
物事を、起点から終点に至るまでのステップや流れに分けて捉えてみるというのも非常に有効なMECEの切り口です。
ある事象が起こるまでをプロセスやステップに分けて考えるというものもあれば、過去・現在・未来、短期・中期・長期といったように、時間軸で分けるものもあります。
お客さんが商品を欲しがる流れ・ステップは以下のように表現できます。
3.4 ビジネスチャンスのためのSWOT分析
SWOT分析とは、マーケットにおける自社のビジネスチャンスを発見するために、自社を取り巻く環境と、それに対する自社の状況をMECEに考えるモノです。
SWOTは、強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) で構成されています。
画像出典:https://resilient-medical.com/medical-safety/swot-analysis
4. MECEは自分の仕事に合わせたモノを作って置くといよい
上記したのは一般的なMECEの切り口となるものです。
仕事は千差万別ですので、より自分にあった切り口を見つけて置くことが今後の皆様の業務をより効果的に改善することにつながります。
フレームワークなどをいくつか調べてみると、自分の仕事にあったMECEが見つけやすいと思いますので、是非調べてみてください。