【ビジネス】一流の基礎〜問題・課題の発見に役立つフレームワーク4「コントロール可能/不可能」〜
1. フレームワークとは?
「フレームワーク」とは日本語で「枠組み」を意識します。
何かを考えたり分析したりする際に、一定の枠組みを設けることで、何を考えるべきなのか、整理すべきなのかを明確にし、思考を加速させることができます。
フレームワークには様々な種類があり、自身の抱える問題や目的の状況に合わせて最適なフレームワークを活用する事が重要となります。
2. 意外と忘れがち!自分達で変えられるものを判断するフレームワーク
本記事に至るまでに3つのフレームワークを紹介してきました。
おさらいすると
① あるべき理想の姿と現状を書き出すフレームワーク「As is / To be」
② 問題を多面的に捉えるためのフレームワーク「6W2H」
③ 問題を深掘りし、その原因を正確につかむためのフレームワーク「Why So」
です。
これらのフレームワークはいずれも問題や課題を炙り出すという意味で共通しており、3つを効果的に活用する事で、真の問題を発見することに繋がります。
そしてここまでの流れを行う中で、いくつかの問題・課題が見えてくると思うのですが、それらの問題が果たして自分達で変えられるものなのか、社会情勢など自分達では変えられないものなのかを判断する必要があります。
それがフレームワーク「コントロール可能、不可能」の見極めです。
具体的に見てみると一例として以下のようの点が挙げられます。
コントロール可能 |
コントロール不可能 |
不足する若手技術者 |
対象事業の入札の流れ |
マンネリ化した商品・技術 |
人口減少による対象事業の減少 |
自社製品PR手法の検討 |
市場技術の成熟による単価の減少 |
休暇のとりにくい業務分担 |
仕入先、下請け業者のコスト増加 |
その他 |
その他 |
コントロール不可能なものとは、社会的な動きに支配される要因が絡んでいたり、業界ルールや取引先など、他社の意思決定に高い割合で依存するものを指します。
コントロール不可能な問題は無視しても良い!とは言い切れませんが、これらを解決することに時間を使うのももったいないので、実効性を重視して問題を抽出し、議論したい場合などには「コントロール可能、不可能」フレームワークを活用して見てください。
正直、こんなのわざわざフレームワークとして考える必要がるか?という人もいると思います。自分自身がそうでしたので。
ただ、問題を多面的に深掘りするとコントロール可能、不可能が入り混じった問題が見つかったりすることがあります。
これらを混じったまま議論すると、本来コントロールできる課題すらも解決できないケースもありますので、分別する意味でも意識をしておくことをお勧めします。
3. コントロール不可の物にビジネスチャンスが埋れている可能性がある事もある
さて、先ほど、コントロール不可能なものは無視して実効性のある課題に取り組んだほうが良いと書きましたが、コントロール不可の物にビジネスチャンスが埋れている可能性も実は少なからずあったりします。
取引先の業務仕様書・設計書なんかは質疑書こそ出して内容の確認をすることは可能ですが、内容そのものを変更させるなんて事は基本的には不可能です。
ただし、取引先が仕様書・設計書を作成する段階から相手の懐に潜り込み、自社に有利なように事を運ぶという事はできます。
僕もは20代半ばの頃にそのようにしている他社の姿を見て、社会の難しさを痛感した記憶があります。
自分自身や自社がコントロール不能としている事柄でも他社は上手くやっているなんてこともありますので、同業他社の動向を横目にすることもとても重要なことだと思います。