【ビジネス】経営資源を見直す手法「VIRO」でAppleを評価してみた
1. 会社の業績は経営資源で決まる
激戦区であるスマホ業界において何故iPhoneは高くても売れているのだろうか?
どの業界にも言えることですが、競争が激しくても好成績の会社は存在します。
このことについて、ジェイ・B・バーニーは「会社の業績は、業界の競争の激しさではなく、会社の経営資源で決まるのではないか?」と考えたのです。
バーニーは、同じ業界でもそれぞれの会社は真似されにくい独自の経営資源(人材・能力・スキル・ノウハウ)をもっており、企業の競争力を高めるためには経営資源を改めて見つめなおす事が重要だと提唱しています。
そこで、経営資源に基づいた視点で企業の強みを見直すための手法である「VRIO」をご紹介します。
2.「VRIO」と使ってAppleを評価してみる
VRIOとは、価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣可能性(Imitability)、組織(Organization)の4つのフレームワークを指します。
それぞれの内容を紹介し、せっかくなのでApple社で試してみます。
2.1 価値(Value)の評価
「お客さんから見たときに、自社はどのような価値があるのだろうか?」を考える最初のステップです。
Apple社のiPhoneを例に考えると、スマホ業界でiPhoneがその地位を確立し続けているのは、「ユーザの使いやすさ」、「高級ブランド感」、といった他社には無い価値を提供し続けているからだと思います。
2.2 希少性(Rarity)の評価
顧客が価値を感じても、他者でも出来れば「固有の強み」ではなくなります。
iPhoneの「固有の強み」もいくつかあるとは思いますが、「アップル製品同士での親和性」や、「Appleストアに集まった膨大なアプリ」、「セキュリティの高さ」は代表的な例だと思います。
2.3 模倣可能性(Imitability)の評価
固有の強みを作り上げたとしても、それがすぐに真似されては意味がありません。
模倣を困難にさせる要素についてバーニー氏は、『独自の歴史的条件(unique historical conditions)』、『因果関係不明性(causal ambiguity)』、『社会的複雑性(social complexity)』、『特許(patent)』の4つを挙げています。
iphoneはハードウェアとソフトウェアを同じ会社で設計し、開発をしているという点で他社にはマネしづらい体制を作っています。
2.4 組織(Organization)の評価
経営資源を効果的に活用できる組織体制が整っているかを指します。
Appleストアに行った多くの方はその対応に満足をしています。日本内にあるストアでも英語を話せるスタッフを常駐させたり、顧客の要望にしっかりと対応できる体制を作り上げています。電話サポートも非常に丁寧で優秀です。
3. 経営資源についてもっと知りたい人は
バーニーが出している本には経営資源の見直しによる競争優位の構築方法が記載されています。
- 作者: ジェイ・B・バーニー,岡田正大
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/12/05
- メディア: 単行本
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「企業戦略論」は上中下巻で構成されおり、読むのに時間がかかると思いますが、「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめたみた」では、美味しいところだけを手短いにまとめておりますので、よければそちらもどうぞ。