【ビジネス】M.E.ポーターが提唱した組織を取り巻く5つの力(脅威)を我が社に置き換えてみた
前回に引き続きMBA関係の記事です。
前回は3つの「競争の基本戦略」をご紹介しましたが、今回の記事は基本戦略のを立てる前に知っておかなければならない、自社を取り巻く大きな力をご紹介します。
1.M.E.ポーターが提唱した組織を取り巻く5つの力とは
ざっくり説明すると、今あなたの所属する組織を脅かすのはライバル会社だけではないので、その他の脅威を見定めて戦略的に事業活動を行いましょうという話です。
ライバル会社以外にどんな力が脅威として存在するのかですが、ライバル企業を含め大きく5つあります。それが
1.同業者の脅威
2.新規参入者の脅威
3.買い手の交渉力
4.売り手の交渉力
5.代替品の脅威
の5つの力です。
それぞれについて説明すると以下のようになります。
1.1 業界内の競合
市場における企業間の競争状況。業界の収益性に影響を与える要素の1つで、その業界における同業他社との競争の激しさを指す。通常、寡占化が進んでいれば、競争は穏やかなものになるが、同程度の規模の企業がひしめいている場合、あるいは装置型産業で固定費が多いにも関わらず供給過剰な場合には、競争が激化する。
グロービス経営大学院HPより引用
これはいわゆる既存のライバル企業です。ライバル企業の中でも特にNo.1企業の動向は注意しておく必要があります。
1.2 新規参入の脅威
既存の市場・業界に新たな企業が参入することで、競争が激化する脅威。新規参入が容易な(参入障壁が低い)業界では、いったん業界の収益性が上がったとしてもすぐに参入者が増加し、競争の激化により収益性が下がってしまう。
グロービス経営大学院HPより引用
環境系の最も代表的な仕事に分析業務があります。分析業務は環境問題を支える上で重要な技術ですが、参入障壁が低いため機材さへあればどんな組織でも行える状態となっており、業者も腐るほどいます。
1.3 代替品の脅威
既存の製品・サービスの市場が、顧客にとって同様のニーズを満たす既存の製品・サービス以外のものによって奪われる脅威。
グロービス経営大学院HPより引用
環境系で言えば、し尿処理施設が下水道にニーズを奪われたという感じです。携帯電話からスマホに変わったのもこの代表的な例です。
1.4 売り手の交渉力
部品や原材料などの納入業者からの要求の強さ。売り手の交渉力が強くなるのは、寡占業界もしくは独占的技術を有する業界などで、買い手側は高い価格を受け入れざるを得なくなる。
グロービス経営大学院HPより引用
これはメーカなんかが顧客だとそうなるのかなと思います。売り手しかもっていない専門技術がある場合は買い手の立場は弱くなります。
1.5 買い手の交渉力
顧客が売り手に対して価格値下げや品質の向上などを要求する力の強さ。買い手の交渉力が強い場合、売り手の収益性は低下しやすい。ある企業が生産した商品を購入するユーザー、顧客の交渉力が強いと、売り手は値引きを要求され、収益が上がらない。
グロービス経営大学院HPより引用
分析業者さんだと、ライバル会社が多いので「お宅以外に発注先はいるんだよ~」とか言われたら辛い。売る商品やサービスがありふれたモノだと買い手側が強くなります。
M.E.ポーターが提唱した5つの力をグロービス経営大学が上手にまとめてくださっています。MBAをとりたくなってきました。
さて、それではこれらの力を自社に当てはめた場合、何が見えてくるのか実践してみます。
2.. 我が社で5つの力分析をしてみた(フェイクありで記載)
上記に説明したものはフレームワーク的な扱いが出来るので、我が社に当てはめたらどうなるのかを試してみます。
2.1 我が社の業界内の競合
既に環境コンサルタント業務には沢山の競争他社がいる(業界で技術が成熟され始めている)。競争激化にも負けない独自の強さを持つか。競争に巻き込まれない業務を作るかを検討する必要がある。
また、大手環境コンサルと中小環境コンサルで業務の範囲が異なっているので、そこを分析するとよい。
2.2 我が社の新規参入の脅威
検査業務や環境関連事業の参入障壁は低いため、他業種が何らかの実績作りのために参入する可能性がある。経営資源を一部の業務に集中させ、参入障壁の低い業務からはフェードアウトしていくといいかもしれない
2.3 我が社の代替品の脅威
○○の既存の処理処分方法が大きく変化した場合、コンサル業務自体が必要となくなる可能性がある。業界外の技術や、リサイクル等の情報を収集しつつ、将来起こり得る変化を予測する必要がある。
2.4 我が社の売り手の交渉力
外注をする事が基本なく、特別な技術を持つ業者からものを買う事はないので脅威ではないと考えられる。
2.5 我が社の買い手の交渉力
顧客・見込み客の中には自治体もいる。その場合は市町村組合の定めた予算内での交渉となる。入札制度の増加に伴い交渉の機会が減っているが、会社と随意契約を結ぶ自治体も多い事から、我が社を選ぶ要因を詳細に突きつめ、交渉の際の武器にする必要がある。
3. 最後に
M.Eポーターの提唱通りにフレームワークのような形で5つの力を書き出してみると、意外と気づかなかったことに気付けたり、考えがまとまりやすくなるなど、非常にいい効果が得られました。
多分、MBA取得のため大学にいけばもっと深い話が聞けるんだろうなと思います。行ってみたいけど費用もバカにならないので、大人しく読書で知識を身につけます。
- 作者: マイケル E.ポーター,竹内弘高,DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
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