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【MBA】「競争優位の終焉」 成長し続ける企業の6つのポイント

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1. 競争優位性が持続する時代は終わった

「競争優位の終焉」の著者リタ・マグレイスは「経営思想界のアカデミー賞」と言われるThinkers50で「経営思想において最も影響力のある20人」の一人に選ばれています。

 

マグレイスは「競争優位性が持続する時代は終わった。一時的な競争優位性を獲得し続ける事が必要だ」と言っており、企業存続の鍵は新しい事を生み出し続けることだと説いています。

 

本書では、一時的な競争優位性(新しいものを生み出し続ける)を獲得し続ける大企業10社に焦点を当て、共通する6つのポイントを抽出しています。

 

そこで本記事では、6つのポイントを簡潔にご紹介します。

 

 

2. ポイント1 安定性と俊敏性を両立している

ポイントの一つ目は安定性と俊敏性を両立させることです。

安定性と言うと色々な解釈ができますが、マグレイスの言う安定性とは経営基盤が安定していると言う意味ではなく、「組織の人員全てが一貫した高い目標を持ち、関係者との繋がりを大切にしながら安定した状態で課題取り組む」事を指します。

 

安定性を実現させるためには、①組織全体として共通の価値観や文化を持ち、②明確な戦略と高い目標を持つ事が重要となります。

また、③目標をブラさないようなリーダーシップを持つことや、④社員の学ぶ力を重視し人材育成に力を入れることも重要となります。

その上で⑤パートナー企業と安定した関係を維持することとなるのです。

 

俊敏性とは変化に適応する事を指します。変化を続けるためには、①小さな変革を積み重ね続ける事が重要になります。そのためには組織全体を通して経営資源を把握する必要があるので、②部門で経営資源を抱え込む事を許さず、③定期的に経営資源の配分の見直しを行います。

変化を実現するためにも④新事業を小さな初期投資で始めて、ダメなら早い段階で見切りをつけると言うことも大切になります。

 

この2つが相乗効果を生み出し、一時的な競争優位性を獲得し続ける事ができるのです。

 

3. ポイント2 衰退の前兆を掴み、撤退する

各企業にはそれぞれ得意な市場が存在しますが、「得意なものに力を入れる」ことに拘るあまり、市場そのものの分析が疎かになるケースがあります。

 

市場が衰退しているのにそこに踏みとどまるのは自殺行為以外の何物でもありません。富士フィルムは衰退する市場に見切りをつけ、新事業立ち上げに全力で取り組んだ結果、今も大企業として君臨し続けています。

 

4. ポイント3 資源配分を見直し、効率性を高める

ポイント1の俊敏性③でも少し説明していますが、大事なところなので本書でもクローズアップして説明しています。

 

衰退事業に置いている経営資源を成長市場へと迅速に移動させることは一時的な競争優位を築くためには不可欠です。また、経営資源を各部門が抱え込んでいるケースも多いので、各部署が持つ情報等をオープンにし、定期的に経営資源を確認することも重要となります。

 

5. ポイント4 イノベーションを習熟する

イノベーションという言葉は素晴らしく聞こえるが、実現性のない言葉にも聞こえます。

しかし、イノベーションも場当たり的にやると失敗する可能性は高いのですが、体型的な方法をしっかりと学んで取り組めば、イノベーションを成功させる可能性も大きく高まります

 

大切なのは失敗を避けるのではなく、失敗から学び、計画し、実験するというように考えを改めることです。

 

6. ポイント5 考え方を180度変える

一時的な競争優位性を生み出すためには、既存の考えを大きく変える必要があります。

例えば、今まではいいニュースを歓迎していたとしても、一次的な競争優位性を生み出すためには悪いニュースを歓迎するなど考え方を変えるのです。

 

シンプルな話ですが、失敗を続ける一番の理由は同じ事を繰り返しているからに他なりません。一度、いつものルーティンな行動や思考を停止し、180度違った活動を行ってみると良いかもしれません。

 

7. ポイント6 個人への影響についても考える

ポイント3の経営資源の配分をさらに深く追求した際には、個人が保有するスキルや人脈も立派な資源となり、競争優位性につながる可能性があります。

 

会社が社員に自己研磨を望むのは、社内における仕事をしっかりと遂行してもらうためだったのですが、今後はそれらに加え、個人の繋がりやスキルを会社に活用してもらう事が重要となるのです。