【HYDE】ソロ活動の軌跡と未来への躍進 2019年新アルバムへの期待!
L'Arc〜en〜CielやVAMPSのフロントマンとしてお馴染みのHYDEさん。
50歳を過ぎた現在でも精力的に活動を広げ続け、多くのミュージシャンから慕われるその姿は、国内アーティストとして1つの頂にいる事は間違いないでしょう。
そんなHYDEさんの人間性や音楽性が最も強く反映されているソロ活動が、第一活動期(2002年〜2006年)から12年を経過した2018年以降に、再び精力的に活動的を開始しています。
HYDEさんは何故、このタイミングで再びソロとして動き出したのか?本ブログではその理由を分析するとともに、HYDEさんのソロ活動の軌跡でもある第一活動期を紹介し、現在の活動(第二活動期)が今後どの用のものになっていくのかを予想して行きます。
1. 再びソロ活動(第二活動期)を始めた理由
1.1 チャレンジャー精神とミュージシャンとしてのタイムリミット
HYDEさん以外の50歳前後で活躍するミュージシャンは、自身の芸術性を高めるための活動や、シーンそのものを盛り上げようと活動する人が多い様に感じられます。
清春(黒夢、SADS)さんは若い頃の攻撃的な姿勢を控え、今の年齢で等身大のロック、バラードの色が出る様に姿勢を改めています。ファンが望む清春像とは違ったベクトルで活動を続け、その姿勢は「今の俺についてこれるファンだけ残れば良い」といったものとなっています。
西川貴教(TMR、ABS)さんは、台風の目の様に自身がイベントを企画・運営しながら、周りの人を巻き込み音楽業界を盛り上げようとしています。一方で近年ではソロ活動も開始され、自身を更なる高みへ進化させています。
そんなお二人の活動ベクトルとは少し異なり、HYDEさんは50歳になった今でも海外での活動に焦点を定めています。
VAMPSのキャリアの中ではいくつもの実績を残していますが(後述)、「HYDE」個人としての活動が海外においてどの様に評価されるのかは未知数でもあります。
その様な状況においても一から自らの音楽で海外のシーンと向き合おうとするチャレンジャー精神がHYDEさんにはあり、それが今回の第二活動期の根幹にあると言っても過言ではないと思います。
また、年齢という壁も第二活動期を急がせた要因となっていると自分は思います。HYDEさんのモードは現在ロックなものとなっていますが、それがいつまで許されるかは分からないとご本人も懸念されており、ミュージシャンとして受け入れられるタイムリミットを少なからず意識している様でした。
そのこともあり、海外での活動の下地作りを2018〜2019と急ピッチで進めています。
ただ、忘れないで欲しいのはHYDEさんの音楽的なスキルや表現力の色彩・深みは全盛期継続中であり、音楽が国境を超えやすくなった現代、という点を加味すれば、HYDEさんがソロ活動で海外を狙うのはタイミング的にはベストなものであるのです。
1.2 音楽に対して自分の中での大きな変化があった
L'Arc〜en〜Ciel、VAMPS、ソロ活動においてHYDEさんは音楽は自分たちで作り上げなければならないという意識がありました。
その考え方は間違いないと思いますし、それによってバンド活動もソロ活動も成功している事は間違いないでしょう。
その一方で、近年ではキャリアのある世界中のソングライター、プロデューサー、エンジニアと交流が増え、「音楽は自分で作るもの」から「世界中の音楽関係者とコラボして音楽を作りたい」というものにシフトしています。
2018年以降立て続けに発売されるシングルではNicholas Furlong、PABLO等とコラボを行なっており、これまでに無かったHYDEさんの姿が見られます。
また以前、中堅ミュージシャンであり世界中で活動するMIYAVIさんとコラボをした際に原曲を提案したHYDEさんですが、MIYAVIさんが原案に対して積極的に最新の技術を導入する姿勢を見て、ただ良い音楽を作るだけではなく、新しいものをエッセンス的に取り込む事も重要だと意識する様になったそうです。
1.3 まとめ
以上のことからもHYDEさんが第二活動期を始めた理由は大きく「海外への挑戦意欲」、「ベストなタイミング」、「他者との繋がりによる音楽性の進化」が影響しているのだと思います。
さて、ここまでは2018年以降の第二活動期のHYDEさんについて触れましたが、第一活動期ではどの様な事をしていたのか振り返って見たいと思います。
2.第一活動期のHYDEさんの軌跡(2001〜2006)
振り返ると第一活動期のHYDEさんは世界を視野に入れた活動というよりは、自らの芸術性やパーソナリティを音楽で表現する活動が多かった様に感じられます。
それでは、第一活動期のHYDEさんの活動をアルバムを元に振り返って見ます。
2.1 ROENTGEN 〜「静」(2002)
HYDEさんがソロ活動を開始したのは、L'Arc〜en〜Cielメジャーデビュー後7年経った2001の事でした。活動初期は「静」をテーマに「evergreen」、「Angel's tale」、「SHALLOW SLEEP」の三作品を世に放ったのち、「静」の活動の集大成であるアルバム「ROENTGEN」を手がけています。
「ROENTGEN」では、L'Arc〜en〜Cielでのバンドサウンドから脱却したアコースティックギターがメインとなったアンプラグド(電子装置を使用しない楽器:オーケストラ、ピアノ、ハープ、サックス、パーカッション)的な楽曲が多くなっており、
その影響もあってか、L'Arc〜en〜Cielの煌びやかで色彩豊かなロックとは対照的にHYDEさん本質である「白と黒」が前面に押し出されています。
語り口調の様に自然体で歌っているバラード曲「evergreen」、「ANGEL'S TALE」
「SHALLOW SLEEP」を聞くと、HYDEさんの静かで暖かい本質が感じ取れます。
2ndアルバムは後述するとおり「動」をテーマに作成されていますが、「静」に関するアルバムを先行して作り上げたところから、HYDEさんの本質がこちらにあると考えても良いのかもしれません。
[SubsEspañol] HYDE - Evergreen, Ver. japonesa
2.2 MOON CHILD(2003)〜俳優デビュー〜
余談になります
MOON CHILDはGACKTさん原案の映画であり、HYDEさんの数少ない俳優作品となっています。
音楽とは違ったジャンルでの経験、そしてGACKTさんという違う世界観に触れた事はHYDEさんの今後の活動の刺激になった様です。
また、本作においてHYDEさんは吸血鬼として登場しており、後のVAMPSのイメージにインセンティブを与えた可能性もあります。
2.3 666(2003)
前作とは180度違う「動」をテーマに作成されたアルバム。HYDEさん特有のハードロック、ヘヴィロック嗜好を主軸に、「HORIZON」の様なメロウな楽曲が含まれたバランスの取れた作品となっています。
この頃にはVAMPSのK.A.Zさんをプロデューサーに迎えており、今後の活動の方向性が固まり始めた、本当の意味でのミュージシャンHYDEの始まりを象徴するアルバムです。
2.4 FAITH(2006)
K.A.Zさんとのタッグ感をさらに強めたアルバムであり、アメリカンハードロック色が色濃く反映されています。
本作は宗教観や世界の矛盾を前面に打ち出した作品となっており、歌詞には、戦争や宗教、クローンなどメッセージ性が強い楽曲が多く、抽象的な表現から具体的な表現に変わっているのが特徴的です。
人としての深みが増え、伝えてとしての自覚が芽生え始めた時期でもあったのかもしれません。
3. 忘れてはいけない、VAMPS時代の実績
VAMPSはヘヴィサウンドとアグレッシヴなライブパフォーマンスが話題を呼び、アジアのみならず、北米や南米、ヨーロッパへと活動の場を増やして行きました。
また、2ndアルバム『BEAST』は南米において日本人アーティスト初となるセールスチャート4位を記録するなど、その実績と評価を着実に増やしていったのです。
その活動は海外のプロモータの目にも止まり、マドンナ、レディーガガらが所属するイベントプロモーター「ライブネーション」と提携し、海外ツアーも敢行しています。
イギリス最大規模のメタル/ラウド系フェスへの出場、モトリー・クルーが所属するマネジメント会社との契約も含め、VAMPSの活動は大成功を納めることとなります。
4. まとめ これからの活動〜未来への躍進
4.1 まとめ
以上の事をまとめると、
①L'Arc〜en〜Cielにおいて多くの実績を残したHYDEさんは、ソロとして自らの世界観を打ち出そうと動き出そうとした。
②自らの世界観をソロ活動で打ち出したのち、K.A.Zさんという翼とともに海外への進出を目指した。
③VAMPSとして海外でも実績を残したHYDEさんはソロとして自分の世界観を打ち出そうとした。そしてその世界観は己だけで作るのではなく、様々な人達とコラボしてより壮大なものを作ろうとしている。
大雑把ですがこの様な感じになります。①と③の流れは同じものですが、③の頃にはキャリアが成熟している事と、優れた人達とコラボをしている点が大きく違います。
その点を加味するとこれらかの活動は今以上にクオリティの高いものとなることは間違いないでしょう。
そして、以上の経緯を踏まえ13年ぶりに発売されるアルバムは世界を視野に入れたHYDEさんの真価が発揮されるアルバムになります。
HYDEさんの今後の活動に目が離せません。
最後になりますが次のアルバムに向けて、2018年以降に怒涛の勢いで世に離れたシングル曲をご紹介します。
新アルバムの匂いを感じていただければと思います。
4.4 WHO'S GONNA SAVE US
HYDE - WHO'S GONNA SAVE US TV SPOT
ソロ名義では12年ぶりのシングル曲。
VAMPSからの橋渡し的な楽曲であり、国内外のラウドロックシーンを意識したデジタルサウンドが展開されている。
4.3 AFTER LIGHT
PABLOなどの新たな製作陣とコラボして生まれた楽曲。ラウドロックの中でもアッパーで攻撃的な一曲となっている。
4.4 FAKE DIVINE
ヘヴィなサウンドの中にもキャッチーなメロディーが確立されており、ストーリー性のある世界観が惜しみなく発揮されている一曲。
MY FIRST STORYのShoさんやドリュー・ファルクとコラボしている。
4.5 ZIPANG
HYDE feat. YOSHIKI – ZIPANG(Japanese Version)30秒SPOT
共演者にYOSHIKIさんを迎え入れたの本の様式美を重視したバラード曲。
4.6 MAD QUALIA
ゲームの世界とリンクさせたシングル曲。
王道のメロディーの下地にラウド寄りのロックが入り混じった一曲。