【レビュー・感想】DIR EN GREY toshiyaさんの軌跡、性格、ベーシストとしての能力など
DIR EN GREYでの活動はToshiyaさんにとって「変化と深化」の20年と言っても過言ではないでしょう。
常に新しい変化を求め、更なる深化を遂げる変幻自在のベーシストであるToshiyaさんの今日に至るまでの軌跡・性格等をご紹介いたします。
1. 軌跡
1.1 小学時代〜野球や剣道を楽しむ普通の少年〜
小学生の頃は野球やサッカー、剣道を楽しむ子供だったToshiyaさん。
そんなToshiyaさんと楽器との出会いはおばあちゃんの家にあったクラシックギターだったそうです。
当時は同い年くらいの親戚と開放弦を弾いて遊んでいたそうですが、ギターはあくまで遊びの道具であり、そこから音楽にのめり込むことはありませんでした。
小学6年生頃になると周りが音楽を聞くようになり、話を合わせるためにToshiyaさん自身も音楽を聞くようになったみたいですが、まだ音楽が自身にとっての熱中できるものとはなっていませんでした。
1.2 中学時代〜音楽への目覚め〜
中学時代のToshiyaさんは周りの影響で、BOOWYやZIGGY、X JAPAN、BUCK-TICKを聴くようになります。
今でこそベーシストとして活動されていますが、当初はギターを弾けるようになりたいと思い、ギターを購入するための資金源を得るために親戚の仕事を手伝うようになります。
この時期、ご本人は学校へ通う頻度も少なくなっていたそうで、仕事で知り合った知人や、同じく学校へ行っていなかった幼馴染とメタルや日本のロックを聴いて楽しんでいたそうです。
ギターを手にした後は、アルカトラスなどのロックを弾くことを目指して基礎練習に励みます・・が、Fコードの壁にぶち当たり挫折を覚えたそうです。
ただその後は友達とBOOWYやBUCK-TICKを弾いて遊ぶなど、ギターを続けることとなります。(最初にギターで弾けたのはBUCK-TICKのJUPITERだそうです。)
この頃くらいからライブハウスで演奏してみたいと思うようになりますが、本人曰く全然社交的ではないためメンバー集めなどはしなかったそうです。
1.3 高校時代〜ベースへの目覚め〜
親戚の仕事を手伝った経験から、社会の厳しさを知ったToshiyaさんは高校3年間はしっかり通って卒業しようと決心します。そしてこの頃からLUNASEAのJさんの影響でベースに憧れるようになります。
もともとベースはX JAPANのTAIJIさんからも影響を受けていたのですが、Jさんがテレビでベースを自由に奏で、前へ前へでる姿を見て、次第に強くベースに惹かれるようになっていきます。
その後、昔からの付き合いのある仲間や近所の友達とともにバンドを組み初ライブを行い、高校生ながらに100人規模のライブを成功させます。
この時、ライブではいつもの自分とは違う何かになれる事を知ります。
ただし、このときでも、音楽の道で生きていこうという気持ちは無く、自分の熱中できるものを探している日々を過ごしていました。
1.4 DIR EN GREY への加入
卒業後は絵が好きだった事もあり専門学校に入るのですが、一度きりの人生、音楽に懸けてみたいとの思いから中退し、音楽にのめり込むようになります。
その後はPIERROTなどのローディを行いながらバンドのサポート活動を行なっていきます。(※余談ですが後に2017年にPIERROTはDIR EN GREYと横浜アリーナで対バンをすることとなります。)
当時、DIR EN GREY のToshiyaさんを除く4人のメンバーはもともと別のバンドで一緒に活動をしていたのですが、そのバンドが解散をするという話を聞いたToshiyaさんは京さんに「一緒にやりませんか?」と声をかけます。
二人はかなりの人見知りだったらしいのですが、お互い嗅覚が働いたようで京さんが旧バンドの3人にも声をかけ、今のDIR EN GREYのメンバーが集結することとなります。
その後、バンドは20周年結成に至る今日まで活動を繰り広げる事となりますが、バンドの変化とともにToshiyaさん自身も変化を遂げることとなります。
2.性格
2.1 意外と他人の影響を受けやすいが、王道ものに興味は薄い
ベースを始めて最初にコピーしようと思ったのがZIGGY、そして最初に買ったベースはZIGGYの戸城モデルだそうです。
次に買ったベースはLUNASEAのJさんのヴァイオリン・シェイプ、そのあとに買ったのはモトリークルーの影響もあってかサンダーバード。
奇抜なファッションをしていた時期もあり、他人の影響など受けずに唯我独尊を貫いているのかと思いきや意外と他人の影響を受けやすいようです。
2.2 独特の形状が好き
toshiyaさんがこれまで使用してきたベースを見ると、少し変わったシェイプのベースが多いように感じられます。
現在の愛機、ESPのTRICK STAR、RU-DRIVE、HALIBUTなどやはり独自のシェイプのものが多いです。
以下の動画は昔のお化けベース
DIR EN GREY Toshiya × Yonetaro Original design Bass 3epho(ズィルノー)
あとはこの写真
独自の形状を自身に当てはめてしまってますね。顔とスタイルがいいから成り立つファッションです。
王道のもの=人が真似したくなるものと考えると、toshiyaさんの目指すもの=他人と被らないもの、なのかもしれません。
2.3 表現に対する欲求が強く、それをやり続ける才能がある
以下
DUKE | DIR EN GREY Toshiyaインタビュー2 より引用
「自分の場合は、表現したい事に対しての欲求だったりとか、何で自分はこう出来ないんだろうという怒りとか、吐き出す場所が欲しかったんですよね。それでバンド、音楽って物を選んで。とにかく夢中になれる物が欲しかったのかな。それが最終的に今に繋がってるんだと思うんですけど・・・これでどうにかなるという自信は無かったですね。でもやる事を辞めなければ、何か見つけられるのかなと思います。自分一人だったら、一定のラインで終わってしまうじゃないですか。でも誰かと一緒にやることによってそのライン以上に行けるんじゃないかと思うわけですよ。そういう風に考えると、誰かとやるっていうのは自分の想像を超えるって事なので、大事なんじゃないかなと」
toshiyaさんにとって重要なのは京さん同様に自分の世界観を表現するという事のようです。それと同時に理想に届かない自分に対しての不満や怒りといった人間臭さを持っており、バンドでそれを発散しています。
全てが思い通りになるわけではないのは当然であり、多くの人は理想にたどり着けないのかもしれませんが、toshiyaさんは諦めずに理想を求め続けた、そして何かを見つけてここまで来たようですね。何かを続けられるというのは、それ自体がすごい才能だと僕は思います。
2.4 ファンとの繋がりをとても大切にしている
DUKE | DIR EN GREY Toshiyaインタビュー2 より引用
お客さんと“何かを一緒に作ってるな”っていうのだけは忘れたくないというか。結局人間は、誰かと共有したい、繋がっていたい動物だと思うので・・・それぞれの生きている時間の中でライヴは2時間ぐらいですけど、一緒に居られる時間が大切だなと思った時に、じゃあそこで何が出来るのかなという風には考えるようになりました。“一人では出来ない事”が自分のやりたい事なのかなと最近凄く思うんです」
DIR EN GREY/Toshiyaインタビュー【後編】ソロ活動の真意といま胸中にあるもの | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
自分の欲としては、やっぱり手に取ってくれた人とつながりたいという思いがすごくあるかな。その人の生活の中に入りたいという思い。音楽を聴いて気持ちが昂揚するのと一緒で、この服を着ると気分が高まるとか、そういう環境の変化に持っていけるものになったら一番いいなぁとは思ってます
他人との繋がりをとても大切にされていますね。それは人としてそうあるものだと考えていると同時に、一緒に何かを作り上げるという表現者の欲求があるからなのかもしれません。
また、toshiyaさんはファッションブランドDIRT 100%を展開していますが、これも自分の世界観を表現する方法の一つであると同時に、買ってくれた人の生活に入りたいという繋がりを大切にしているから生まれたようです。
2.5 現状にただ満足せず、常に変化や高みを目指す
DIR EN GREY/Toshiyaインタビュー【前編】いま改めて問う、アルバム『ARCHE』がもたらしたものと表現の自由 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
『UROBOROS』『DUM SPIRO SPERO』に関しては、DIR EN GREYというバンドが変化の末に掴んだ絶頂期って、みなさん思ってくれていると思うし、自分たちもすごくあそこで変われたとも思ったんですよね。ただ、人間は変化したい生き物だから、欲は止まらないと言いましょうか。常に変わりたい、進化したいと思うじゃないですか。周りからの評価が大きければ大きいほど、それに反抗するわけではないけど、そこが自分たちの絶頂期ではないんじゃないかとも思いたい。だから自分たちは、ずっと新たなものを作っていけるのかなと思うんですよね。自分が認めてしまったら、そこで終わってしまうんじゃないかという恐怖心がやっぱりあるから。毎回そうですけど、最高なものができたとしても、最高傑作とは俺は言いたくないんですよね。
一つ一つのアルバム毎に大きく姿を変えてきたDIR EN GREYと同様に、toshiyaさんも常に現状に満足せず、進化をし続けたいと感じているようですね。
少し気になったのが、toshiyaさんは色々なインタビューの中で「人間」という言葉をよく使っています。DIRが痛みを表現する中で、toshiyaさんも人間というものを深く考えているからこそ出てくる言葉なのかもしれません。
2.6. 意外とロジカル
雑誌で取り上げられている記事を読むと、記者の問いかけに対して、「そうだね」だとうか「そうそう」とか、相手の意見を一度飲み込んで、違うところはロジカルに説明している事が多いです。
ちなみブーチャンネルで話をするtoshyaさんはすごくドSで冷たいです。
2.7 オタク?
ガンダムが好きだとかはよく聞く話で、昔ネットの記事で同人誌販売会場で見かけたというのがありました。
ほんとかどうかはわかりませんが、本当だったらなんか親近感が湧きます。
3. ベーシストとして〜「普通」が解らない故に「自由」であった
学生の頃は友達とワイワイ練習するのが好きでコピーもそれなりにしてきたToshiyaさんですが、ラインフレーズを作る時はセオリーを気にせず、自分の表現したい通りに作っていたそうです。
しかし表現したいものがマンネリ化する事も嫌いであり、その都度変化の壁にぶち当たっていたとか。
手癖などが個性に繋がるという考えもできますが、本人はそれが嫌で常にフレッシュでいたいという願望が強いようです。
常に新しいものを見つけ構築していく、そのためにはロック以外のジャンルの手法やスタイルだって吸収していく姿勢を持ち合わせ、変幻自在のベーシストとして今も君臨しています。
※別記事でtoshiyaさんのベーシストとしての魅力を記載しております。
incentive-to-innovation.hatenablog.com
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