【評価】清春(ソロ)、黒夢、SADSにはどのような違いがあるのか?
少し前に清春さんがアルバム「夜、カルメンの詩集」をリリースしました。
前回のアルバム「SOLOIST」には無かったスパニッシュな要素が盛り込まれた作品となっており、歳を重ねる中で、自分に見合った音楽を追求しているようでした。
年代ごとに異なる音楽を生み出す清春さんですが、ソロ活動とは別に黒夢(現在は睡眠中)、SADS(2018年に活動休止)と3つのチャンネルを持っています。
ご本人はインタビューで「3つの活動において違いを明確に作ってはいない」と発言をしていましたが、個人的にはやはり違いがあるような感じがしてならないのです。
そこで、勝手ながら清春さん、黒夢、SADSの違いを勝手に分析してみました。
ファンの方はそれは違う!と思うかもしれませんが、個人の感想なのでお許しください。
1. 清春(ソロ活動)の特徴
V系の暗黒面の先駆者としてXJAPANやLUNASEAに負けないくらい後世に影響を与えている清春さん。
ハードロック、グラムロック、パンクロックと過激な音楽をやっている印象がある方ですが(黒夢やSADSは凶悪な音楽が多いのです!)、ソロ活動は意外にもポップで聴きやすい曲が多いです。
沢田研二のファッションや音楽、さだまさしの歌詞に影響を受けていると本人も公言しており、メジャーな音楽にも通用する感性をしっかり持っていらっしゃいます。
メジャーとアンダーの中間の世界で活動していると清春さん本人も自覚しており、楽曲の振れ幅はかなりのもです。
35歳あたりからはアコースティックギターを積極的に取り込み、自らの歌を聴かせるものとして強く意識しながら活動をされ始めています。
アルバムSOLOISTは全体的にポップな曲が多く、とにかく聴きやすい!テンポよく歌詞も聞き取りやすいし、このアルバムはPVも多くついてるので曲ごとの世界観に入りやすい作品となっています。
何より歌声が唯一無二!XJAPANのYOSHIKIさんからも声がカッコいいと褒めちぎられています。
40歳を過ぎてなお、「最近声の出が良くなった」と言うほどに進化を続けており、声を枯らしながらも抑揚のついた歌い方からは、過去伝説となった洋楽のヴォーカリストを彷彿させるものとなっています。
清春 - 『MOMENT』Music Video YouTube Size
2. 黒夢の特徴
清春さんのソロがポップな印象のものが多いとすると、そこに人時さんの重厚で正確な重低音が加わったことにより、曲全体に重みが出てきたのが黒夢という感じがします。
ただ重たくなるだけではなく、清春さんの高音をより際立たせる重さを人時さんは奏でており、決して歌の邪魔をしていません。(ただ、黒夢後期は二人の仲が悪かったこともあり、ベースのボリュームを清春さんが下げてしまうなんて事もありました。)
1990年代後半の清春さんは常に何かにイライラしているような振る舞いをしており、
雰囲気的にはセックス・ピストルズの若かりし頃のジョン・ライドンのようでもありました。
清春さんがそのような時期だったこともあり、黒夢はとにかくアルバム毎に楽曲の分野が違っていて、パンクやらブラックメタルやら幅広いジャンルのものを展開しています。
3. SADSの特徴
SADSは何回ものメンバーチェンジを行い現在のメンバーとなっています。
そしてこのメンバーは全員凄腕の猛者ばかりが集まっています!
超絶テクニック&パワフルなドラムのGOさん、7弦超重低音、人の聞こえる音域を全て弾きこなすギターのK-A-Zさん、怪物二人の隙を突くかのようにベースを奏でるYUTAROさん。
SADSも年代毎によってジャンルが違う特徴がありますが、今のメンバーになってからはとにかく切り刻まれるような凶悪で鋭いパフォーマンスを行うようになっている気がします。
4. パラメータ分析をしてみると
4.1 聴きやすさ
清春 ★★★★☆
黒夢 ★★★☆☆
SADS ★★★☆☆
聴きやすさは基本的には清春さんのポップな曲も作れる能力が高いため、全体的に聴きやすものとなっています。
4.2 演奏力
清春 ★★★☆☆
黒夢 ★★★★☆
SADS ★★★★★
上記のように示していますが、実際ソロの時も黒夢の時も厳選されたミュージシャンと一緒にされているので、もっと高くてもいいのかもしれませんが、やはりSADSの演奏力は別格なのかと・・・ちなみに人時さんもすっごく上手です。
4.3 知名度
清春 ★★★☆☆
黒夢 ★★★★★
SADS ★★★★☆
やはり最初は黒夢からのスタートなので黒夢の知名度が抜群だと思います。
ただし、黒夢もSADSも清春という人間の歴史の一部であり、全ての歴史は今の清春さんに帰結するものとなっています。
4.4 一言で表すと
清春 メロディアスで聴きやすい曲が多い。
黒夢 ポップな中にも重低音があり、パンク調やロック調が濃ゆ
くなる。
SADS 演奏力が高く一つ一つの音が凶悪で危険
という感じです。
最後に
もうちょい書きたかったんですが流石に眠たいのでもう寝ます。最後にこれだけは聞いて欲しい曲で黒夢のゲルニカを乗せます。
勝手な感想ですが、ゲルニカは清春、黒夢、SADSとしてキャリアを積んだ清春さんの集大成だと思っています。ご本人もゲルニカはそれぞれの良さが出ていると語っておりました。
この曲を機に、是非それぞれの楽曲も聞いてみてください!