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ビジネスパーソンに必要な考え方やスキルを勉強も兼ねて紹介しています。

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【フレームワーク】ペルソナ設定 ターゲットを明確にし、詳しく知る

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1. ペルソナとは

ペルソナとは、商品やサービスの受け手となる、主たるターゲットを指す言葉です

例えば、高級雑貨店に出店している化粧品代理販売店は、女性全員がお客になる可能性があるのですが、全てのお客さんに全力で営業をかけているわけではありません。

高級雑貨店という若者が入りにくい環境、自社製品を購入できる収入、商品を活用する年齢層等を加味して、40代以上を主たる客層(=ペルソナ)として設定していることがあります。

 

ペルソナをしっかりと絞り込むことで、購入意欲の低い客層へ必要以上の営業をかけずにすみ、商品を本当に欲している人を見極めることができるようになるのです。

 

2. ペルソナから収集する情報

相手が企業である場合、ペルソナの設定は難しいのですが、例としてあげると下記のようなものになります。

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ペルソナは各社ごとに違いますので、上図はあくまで参考になります。

 

逆に一般人相手にペルソナを設定する場合は、性別、年齢、家族構成、住居地、職業、趣味、収入、悩みなどが該当します。

 

3. ペルソナを設定すると、見切りがつけやすい

一流の営業さんは分かりませんが、新規客の開拓を行う場合はやはり数多く営業をかける事になると思います。

そしてその時、ほとんどの場合が話を聞いても貰えず追い返されることとなります。

時には話を聞いて貰えることもありますが、一生懸命時間をかけて説明しても仕事につながらないこともあります。

 

全ての営業先に全力で営業を行えれば良いのですが、現実的には気力も時間もなくなって行き成果が出ないこともチラホラです。

 

そうならないためにもペルソナをしっかりと設定して、話の中で「あ、この人は自社のお客さんにはならないな」と判断することが重要です。

逆に、「この人は自社のペルソナ候補だな」と判断できれば、何度も通うなどの努力をする必要があります。

 

個人的な感想ですが、ペルソナの設定は自分の心の安らぎに繋がると思っています。

ペルソナを設定し、特定できれば、自然と「この人は困っている人だから自社が絶対役に立てる!」と自信のようなものが湧き出てきます。そうすれば営業をやる気にもなりますし、仕事が楽しいと思えるようになるはずです。

 

DIR EN GREY 無観客ライブが証明したバンドの本質

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元画像出典元:https://direngrey.co.jp

 

本日3/28、DIR EN GREYによる無観客ライブ生配信が行われました。

興奮冷めやまぬ内に、本ライブを見て感じた事を綴っていきます。

 

DIR EN GREYという「不動」の存在

本ライブを視聴して何よりも感じたのは「不動」の一言。

無観客でも彼らのライブに対する姿勢は通常時と一切変わりがなく、オーディエンスの熱量が無くともバンドは自然とブーストしていき世界観を築き上げていきました。このライブでDIR EN GREYがオーディエンスに影響されない不動のバンドであることが証明されました。

(実力のないバンドはオーディエンスの盛り上がりに助けられ演奏力を誤魔化したりするのですが、DIRに限ってそれはない事も証明されました。)

 

これは実に凄まじくも恐ろしい事だと思います。

 

なぜかと言うと、このライブによって、DIR EN GREYは「目の前の誰かに何かを伝えるため、ライブをやっている」訳ではないことが証明されたからです。

元々、歌詩の解釈を聞き手に委ねているバンドだった事を考えれば、「ライブは自分達だけで完結させる。何かを感じたければ勝手にどうぞ」と考えていても不思議ではないのかもしれませんが。

 

つまりDIR EN GREYは自分達の、自分のために音楽を追求しているバンドという事になるのです。京さんなんかはその気が顕著でしたが、他のメンバーもそうだったのかもしれません。

 

 

京さんの数少ないMCに「俺らと一つになれるのか?」というものがあるのですが、

この言葉の意味するものが、「一緒に世界を築き上げよう!」、ではなく言葉通り「俺らの音楽性についてこれるのか?」という解釈が正しいのかもしれません。

 

 

DIR EN GREYの本質は5人の音楽への追求心と化学反応であり、彼らのスタンスが変わらない限り、オーディエンスがいようといまいと不動の存在であることに変わりはないでしょう。

 

www.youtube.com

 

www.karasu100.com

 

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【MBA】「良い戦略、悪い戦略」リチャード・P・ルメルト

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リチャード・P・ルメルトは戦略家のための戦略家と称される大家です。

多くの有名企業、非営利組織、政府機関にコンサルティングを行っており、エコノミスト誌は彼を「マネジメントコンセプトと企業プラクティスに対し最も影響力ある25名」に選んでいます。

良い戦略、悪い戦略

良い戦略、悪い戦略

 

 

そんなリチャード・P・ルメルトの著書「良い戦略、悪い戦略」ですが、皆さんの会社が競合他社を圧倒し、未来を先んじる準備が整っている場合は読む必要はありませんが、少しでも未来に不安を感じている場合はきっと力になる一冊となります。

 

本記事では本書の内容について簡単にご紹介をさせていただきます。

 

1. 悪い戦略

少し前までは戦略ブームが起こっていたように感じられます。毎年のように新しい戦略が生み出されてきましたが、その中で本当に効果があった戦略がどれほど存在したのかは分かりません。

戦略をしっかりと運用しきれない場合は、運用体制に問題があると言えますが、そもそも戦略自体に問題があったのでは?と思うことも結構あります。

 

本書では、そんな悪い戦略の特徴を大きく4つ取り上げています。

以下の図に4つを紹介します。

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悪い戦略は、問題を分析せず、思考をサボり、洗濯を怠った結果、生まれてきます。

毒にも薬にもならない折衷案も悪い戦略の代表例となっており、今日では、戦略も重要ですが、それらを立案・運用する人々の教育もコンサルタントの担う仕事となりつつあります。

 

もし、皆さんの属している組織の戦略がこれらに該当しているときは、慎重に真意を確認する必要があるかもしれません。

 

2. 良い戦略

悪い戦略は戦略の核がないと言えます。

それでは戦略の核とは何かですが、ルメルトは戦略の核を「診断」、「基本方針」、「行動」の3要素だと言っています。

 

「診断」
状況を診断(分析)し、複雑に絡み合った問題を解きほぐし、取り組むべき課題を抽出する。

 

「基本方針」
診断で見つかった問題に対し、課題を設定し、それらの対応として大きな方向性と総合的な方針を示す。

 

「行動」
基本方針を実行するために設計された一貫性のある一連の行動のこと。すべての行動をコーディネートして方針を実行する。

 

ここで一点意識して欲しいのは、戦略は設計した通りに行かないと言う事です。

戦略はあくまで仮定のもとで作られ実施されますので、随時軌道修正をする事が重要となります。

戦略を踏まえ、現場の動きをモニタリングし、出てきた結果を再び戦略へ還元し修正する。

この基本的なサイクルを実施することが何よりも重要で、一番危険なのは戦略が間違い出会った事を認めず、責任を現場に押し付ける事です。

 

一社員に会社の方向性を決定する権利は当然ありませんが、会社が示した戦略の意図を汲み取ると言う点でも、本書は非常に役立つ一冊だと思います。

【ビジネス】 職場の環境改善には大人しい人の声を聴くのが大切〜

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1. 職場の環境改善は誰がするべきなのか

 

人口減少と少子高齢化が進む状況下において、日本企業は優秀な人材を獲得し、生産性を高めながら事業を展開する必要があります。

 

優秀な人材を確保するにも、働き甲斐を感じて生産性を高めながら働いてもうにも、給料に加え、素敵な職場環境が必要となります。

(素敵な職場環境というのものは、感じ手の個人差があるものですので、自分にとっての働きやすい環境を想定してもらえたらとは思います。)

 

この素敵な職場環境作りですが、わが社も数年前から取り込んでおり、その取り組みには労働組合も一部を担っています。

あれをやるといいこれをやるといい、とワイワイ色々な意見が飛び交うのですが、僕は一つ疑問に思うことがあるのです。

 

それは、発言をしている人たちの多くが常日頃から発言権を持つ陽キャラ達ばかりであり、彼らは本当に会社に不満を感じているのか?ということです。

 

僕のイメージを図にしてみるとこんな感じ

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常日頃から発言権のある人たち(陽キャ)にも不満はあると思いますが、いつも大人しくしている人たち(陰キャ)と比較すると会社への満足度は幾分か高いように感じられます。

 

職場の環境改善とは=職場に感じる不満を取り除く事だと僕は思っていますので、皆が働きやすい環境を本気で作ろうとした場合は、上図の陰キャのような人たちの声にしっかりと耳を傾けていくことが重要となるのではないでしょうか。

 

ちなみに僕も陰キャです。

 

2.  シンプルなアンケートで大きな不満を持つ人の声を抽出

 

職場改善の第一歩として、アンケートを実施する企業は多いように感じられます。

ただ、そのアンケートの中身も凝りすぎていて、最終的にいろいろな意見を集約できないような形になっているのではないでしょうか?

 

アンケートであぶり出た不満のレベルが分からず、ヒアリング担当者の主観でなんとなく改善の余地がありそうなものを選択して、緊急の課題のように対策を打つといった感じです。

 

こうなると真の改善ポイントを収集できない(やっている人たちは収集できている気になっているから性質が悪かったりしますが)ので、着実に意見を収集するためにも、まずは職場環境に強い不満を持っている人の意見を抽出するため、シンプルに会社への職場環境について10段階評価(1が最も不満で、10が最も満足)をしてもらいましょう

 

この時点で職場環境を8以上と考えている人は、概ね現状に満足している人たちになりますので、不満の意見を聞く優先順位は低くても大丈夫です。

 

逆に職場環境を1~5くらいに感じている人の意見(不満)は早急に聞き入れ改善に繋げる必要があります。

 

3. eNPSも併せて活用

 

本記事で紹介したアンケートの手法ですが、eNPSという職場の推薦度を確かめる手法を参考に提案をさせてもらっています。

 

www.emotion-tech.co.jp

 

eNPSとは「Employee Net Promoter Score(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」の略称であり、「親しい知人や友人にあなたの職場をどれくらい勧めたいか」を尋ね、「職場の推奨度」を数値化したものです。
もともと顧客向けにNPS調査を行っていたアップルが、自社の店舗で働く従業員のエンゲージメントを可視化するために転用したところから広がったと言われています。

引用元

https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2019/what_is_enps_with_case

 

 

今回提案したアンケートと併せてeNPSを実施すれば、雇用者が感じる会社への愛着をより体系的に取りまとめる事も出来ますので、是非合わせて実施してもらえればと思います。

【フレームワーク】VRIO分析 自社の競争優位性を分析する

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1. VRIO分析とは

企業が競争優位性を保てるかどうかは、企業の保有する経営資源と、それを活用する能力にかかっているという考えがあります。そして、経営資源と活用能力を分析する手法が「VRIO分析」です。

 

経営資源とは、自社の保有する技術や開発能力、営業力、人材、ブランド、組織風土など企業の価値提供における様々な資源が当てはまります。

これらの経営資源に対して、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4つの切り口から情報収拾や評価を行い、今後の方針を検討します。

 

2. VRIO分析の活用例

以下にVRIO分析の活用例を示します。

1行目が資源、2~5行目が資源の評価、6行目が今後の対策と方針です。

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経済価値・・・その資源で機会を活かすことできるか?脅威を無効化できるか?

希少性・・・・その資源を持っている企業は少ないのか?

模倣困難性・・競合がその資源の模倣をする事は可能か?

組織・・・・・資源を有効活用する組織体制は整っているのか?

 

 

こうして見ると、この会社は人も技術力もしっかりしているが、既存業務以外の武器が心もとないように感じれえます。また、組織体制に○がないので、組織としては脆弱性を感じられるます。

 

VRIO分析を用いて強みや弱みを見極める事ができれば、それぞに対する対応も可能となります。

会社の弱い点に関しては早急に見つめ直し、現在の組織活動で生み出す財に余裕があるうちに次の活動の準備を行っていく事ができれば、組織は長続きしていきます。

 

3. 先ずはVRIO分析を簡単に実施してみる

会社に対して不安を感じている人は、一度VRIO分析で情報をまとめると良いです。その結果として整理できることもありますし、不安を社員に伝達しやすくもなります。

 

VRIO分析を行う際には、一つ一つの根拠を積み上げて行えればベストだとは思いますが、先ずは思いついた事を書いてみると良いでしょう。

自分の不安を書き視覚化する事が、問題解決への第一歩となるのです。

 

4. VRIO分析でAppleを見てみた

www.karasu100.com

 

上記のリンク先にVRIO分析を用いてAppleを評価しています。細かい事は書いておらず、漠然と書いていますが、確かにそうかも、、、と思ってもらえるような内容にまとめています。

きっちり取りまとめることも大事ですが、わかりやすくVRIO分析を行うのも重要なこととなります。

【ビジネス】コンサルタント式 検索読書術

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1. コンサル流読書術は未知の分野に取り組む際に役に立つ

 

先日のブログでご紹介していますが、今後存続を続ける企業とは、一時的な競争優位性を獲得し続ける企業と言われています。

www.karasu100.com

 

一時的な競争優位性を獲得するためのポイントの1つに、イノベーションを習熟するというものがありますが、イノベーションを起こすためには未知の分野への勉強が欠かせないこととなります。

 

一般的に未知の分野について修学するためには、膨大な量の資料を読み漁り、時には専門家を招いて勉強会を実施することになりますが、それでも限られた時間の中で知識を十分に増やすのは容易なことではありません。

 

ところが、コンサルタントは未知の業界についての膨大な資料を、数日のうちには要点を押さえ取りまとめるといった事を可能にしています。

 

これを可能にしているのが、コンサルタント式 検索読書術 と呼ばれるものです。

本記事は下記を参考に作成しております。

 

コンサル一年目が学ぶこと

コンサル一年目が学ぶこと

  • 作者:大石 哲之
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2. コンサルタント式 検索読書術

コンサルタント式 検索読書術の基本は

  • ①読書の目的を絞る、明確にする
  • ②WEB検索をするように目次ベースで当該箇所を拾っていき、重要な部分だけを読む
  • ③なるべく多くの文献を広く浅く当たる

 

というものです。

この読書法は多くのコンサルタントに共通しています。

 

まず、①読書の目的を絞る、明確にするについてですが、多くの人が自分の知りたい事を明確にせずに、本を一冊まるっと読んで新案のヒント等を得ようとしています。

もちろん、それでも良いのですが、本の中には自分にとって必要でない情報が多いものです。一冊読み終えた後で参考になった情報を取捨選択する時間を考えると、膨大な時間が必要となってしまいます。

 

そこで、はじめに読書の目的を明確にして本を読むようにする必要があります。

同じ本を読んでも、目的や目的意識が違えば、抑えるポイントも違うし、読み取る箇所も変わってきます。

「本を読んでヒントを得る」のではなく、「本を読んで知るべき事」を明確にするのです。

 

 

次に②WEB検索をするように目次ベースで当該箇所を拾っていき、重要な部分だけを読むについてです。

 

「本を読んで知るべき事」がわかったら、目次や該当用語を書籍内から探し出し、必要と思う情報だけをサクッと読んでいきましょう。

私たちはインターネットを駆使し情報を得ようとするときは無意識にこの作業を行っているのですが、読書となると頭からお尻まで読んでしまう癖があります。

コンサルタントが膨大な資料から要点を押さえ、業界に精通するクライアントに納得してもらう資料を提供できるのは、書籍を丸っと読むのではなく、目的を持って書籍を選び、webサーチ的な読書法を行っているからなのです。

 

最後に③なるべく多くの文献を広く浅く当たるです。

一冊の書籍から抜き取る情報量は書籍全体からすれば少ないページ数ですみます。

 

あとは読む量を増やす事で必要な情報をどんどんと補完してゆくのです。

大量の資料を用意して、検索と拾い読みを行うプロセスをコンサルは日常的に実施していますので、彼らはどの業界のこと(厳密にはお客さんが抱える、業界のピンポイントな悩み)もしっかりと話ができるレベルまで学習しているのです。

 

3. 何冊も本を読むと、似たような事が書いてあるので記憶に残りやすい

広く浅く読むと、本当に記憶できているのかと不安になると思いますが、似たような考え方が記載されている事がかなりあるので、復習しているような感覚になります。

また、「あの本ではこの事について別のような意見を出していた」というケースもありますが、一つの事象に複数の意見がある事がわかると、より一層学びに深みが生まれ、記憶に残りやすくなります。

 

一つの本をじっくり読む事は大事な事だとは思いますが、情報収拾する目的があり時間が限られているときは、なるべく多くの書籍から必要な情報のみを抜き取る事が重要となります。

【MBA】「競争優位の終焉」 成長し続ける企業の6つのポイント

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1. 競争優位性が持続する時代は終わった

「競争優位の終焉」の著者リタ・マグレイスは「経営思想界のアカデミー賞」と言われるThinkers50で「経営思想において最も影響力のある20人」の一人に選ばれています。

 

マグレイスは「競争優位性が持続する時代は終わった。一時的な競争優位性を獲得し続ける事が必要だ」と言っており、企業存続の鍵は新しい事を生み出し続けることだと説いています。

 

本書では、一時的な競争優位性(新しいものを生み出し続ける)を獲得し続ける大企業10社に焦点を当て、共通する6つのポイントを抽出しています。

 

そこで本記事では、6つのポイントを簡潔にご紹介します。

 

 

2. ポイント1 安定性と俊敏性を両立している

ポイントの一つ目は安定性と俊敏性を両立させることです。

安定性と言うと色々な解釈ができますが、マグレイスの言う安定性とは経営基盤が安定していると言う意味ではなく、「組織の人員全てが一貫した高い目標を持ち、関係者との繋がりを大切にしながら安定した状態で課題取り組む」事を指します。

 

安定性を実現させるためには、①組織全体として共通の価値観や文化を持ち、②明確な戦略と高い目標を持つ事が重要となります。

また、③目標をブラさないようなリーダーシップを持つことや、④社員の学ぶ力を重視し人材育成に力を入れることも重要となります。

その上で⑤パートナー企業と安定した関係を維持することとなるのです。

 

俊敏性とは変化に適応する事を指します。変化を続けるためには、①小さな変革を積み重ね続ける事が重要になります。そのためには組織全体を通して経営資源を把握する必要があるので、②部門で経営資源を抱え込む事を許さず、③定期的に経営資源の配分の見直しを行います。

変化を実現するためにも④新事業を小さな初期投資で始めて、ダメなら早い段階で見切りをつけると言うことも大切になります。

 

この2つが相乗効果を生み出し、一時的な競争優位性を獲得し続ける事ができるのです。

 

3. ポイント2 衰退の前兆を掴み、撤退する

各企業にはそれぞれ得意な市場が存在しますが、「得意なものに力を入れる」ことに拘るあまり、市場そのものの分析が疎かになるケースがあります。

 

市場が衰退しているのにそこに踏みとどまるのは自殺行為以外の何物でもありません。富士フィルムは衰退する市場に見切りをつけ、新事業立ち上げに全力で取り組んだ結果、今も大企業として君臨し続けています。

 

4. ポイント3 資源配分を見直し、効率性を高める

ポイント1の俊敏性③でも少し説明していますが、大事なところなので本書でもクローズアップして説明しています。

 

衰退事業に置いている経営資源を成長市場へと迅速に移動させることは一時的な競争優位を築くためには不可欠です。また、経営資源を各部門が抱え込んでいるケースも多いので、各部署が持つ情報等をオープンにし、定期的に経営資源を確認することも重要となります。

 

5. ポイント4 イノベーションを習熟する

イノベーションという言葉は素晴らしく聞こえるが、実現性のない言葉にも聞こえます。

しかし、イノベーションも場当たり的にやると失敗する可能性は高いのですが、体型的な方法をしっかりと学んで取り組めば、イノベーションを成功させる可能性も大きく高まります

 

大切なのは失敗を避けるのではなく、失敗から学び、計画し、実験するというように考えを改めることです。

 

6. ポイント5 考え方を180度変える

一時的な競争優位性を生み出すためには、既存の考えを大きく変える必要があります。

例えば、今まではいいニュースを歓迎していたとしても、一次的な競争優位性を生み出すためには悪いニュースを歓迎するなど考え方を変えるのです。

 

シンプルな話ですが、失敗を続ける一番の理由は同じ事を繰り返しているからに他なりません。一度、いつものルーティンな行動や思考を停止し、180度違った活動を行ってみると良いかもしれません。

 

7. ポイント6 個人への影響についても考える

ポイント3の経営資源の配分をさらに深く追求した際には、個人が保有するスキルや人脈も立派な資源となり、競争優位性につながる可能性があります。

 

会社が社員に自己研磨を望むのは、社内における仕事をしっかりと遂行してもらうためだったのですが、今後はそれらに加え、個人の繋がりやスキルを会社に活用してもらう事が重要となるのです。

【感想】lynch. 最新アルバム「ULTIMA」は間違いなく一つの集大成

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0. ULTIMA [究極]に込められた想い

lynch.は間違いなく実力派のバンドです。

音楽シーンを牽引した頃のヴィジュアル系のDNAをしっかりと引き継いでおり、ライブを主軸に着実に実力と名声を高めていった、まさにバンドのあるべき姿を体現した集団となっています。

 

そんな彼らが結成15周年に合わせリリースしたアルバム「ULTIMA」。

 

lynchの経歴、ヴィジュアル、音楽性、世界観を究極なまでに圧縮した作品となっており、「lynch.とはこういうバンド」という一つの指針が打ち出されたといっても過言ではありません。

実験的なアルバムというよりは、過去の作品を進化させたものとなっており、15年のキャリアの中で見出したlynch.というものの形がより鮮明に浮き出た作品です。

 

以下楽曲の個人的な感想

1. ULTIMA

ミドルテンポな曲。バンドの音自体は重たいハズなのですが、音に一体感があるため迷わずに聞き取ることができる、まさに五人が一体となっている事が分かる1曲目に相応しい楽曲。

 

メロディーとしては、初見さんの立場で考えて述べると、比較的聞き易いが、次の曲を聴いてみないと好きなバンドかは判断できないと思います。

常連さんからすれば、安心して聴けるlynch.の楽曲!

 

2. XERO

本アルバムのリード曲であり、見て聴いて楽しめる曲。歌モノとラウドなロックが見事に融合した曲となっている。

クリーンな声とシャウト の使い分けが多く、時たまデスボイスもある。

LUNA SEAと黒夢の美味しいとこ取りみたいな一曲。


XERO / lynch.

 

3. BARRIER

XEROの流れを引き継いでいるような一曲。静と動が入り混じっており、ライブを意識したようで皆で「おっおっおー!!!」と叫べるのでとても楽しい。

歌詞の世界観が和テイストになっており歌詞を意識しながら聞くと世界観に入りやすくてオススメ。

 

4. EROS

lynchにはエロい曲もあり本楽曲が本作のそれに該当する。

葉月さんは艶美という言葉良く似合う男で、BUCK-TICKの櫻井さんに通づるものがあるから非常にセクシーに聞こえる一曲。

前の3曲と比べ比較的ダークなバンドサウンドとなっている。

 

5. ALLERGIE

英詞の一曲。ひたすら耳に入る怒涛の声に支配されるような感覚を味わえる。lynchのもう一つの側面が味わえる。

デスボイス、シャウト、グロウル、ガラテル等の様々な歌唱方法が聴けるため、DIR EN GREYが好きな人とかにはオススメしたい一曲。

最後咳き込んでるやないかい!!

 

6. IDOL

本アルバムで一番キャッチーで聞き易い曲。アニソンとかで使われてても不思議じゃない。

盲信する人を皮肉る少し意地悪なlynch.ここにあり


IDOL / lynch.

 

7. ZINNIA

ベース、ドラム音がはっきり聞こえる重心の低い楽曲。全体を通してのバラード曲となっており、壮大なバラードというよりは、静かに寄り添う感じの曲となっている。

ギターの音も綺麗で、楽器陣のために用意されたような印象を受ける。

 

8. IN THIS ERA

ギターの音が耳に入り易い。ギタリストの二人がお互いを意識しながら構築したようで、聴かせる曲となっている。

ZINNIAの温度を少しあげたような落ち着きと切なさと、少しの勢いを感じさせる。

 

9. RUDENESS

lynchらしい激しさと歌モノが融合した楽曲。つまり、いつもな感じのいい曲。

 

10. MACHINE

叫ぶ!喘ぐ!燥ぐ!吠える!歌う!軽快なリズムではしゃげる楽曲。サビ以外聞き取れない?そんなん良くある事だ!

 

11. ASTER

本作の壮大なバラード曲。

 

12. EUREKA

キャッチーな曲。アルバムの最後に相応しく終始明るい感じで聞き易い。結局、最後にこういう曲を作れるのがlynch.のすごいところ。

メジャーでもマイナーでも通用する楽曲の振れ幅は間違いなくSADSに通じるものがある。

 

 

「競争戦略論Ⅰ」何をやらないかを決めよう

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1. トレードオフを見極める事で、強い戦略が生まれる

競争戦略論Ⅰの著者、M・Eポーターは本書において以下のように日本企業を批判しています。

「日本企業は、すべてのものを、すべての顧客へ」と考えて、お互いに模倣しあい競争して、改善するだけだ。日本企業には戦略がない。日本企業は戦略を学ぶべきだ。 

 

本書は1999年の出版ですが、この指摘は現代においても有効ではないかと感じています。

 

日本の企業は成功するライバル会社を徹底的に分析し、同じ事をうまくやろうとしているように見えますが、ポーターからすればその状況は戦略的ではなく、模倣的に見えているのでしょう。

 

ポーターは、戦略的に事業を展開するのであればまず「何をやらないか」を考えるべきだと指摘しています。

・どのお客を捨て、どのお客に対応するのか

・どの技術を縮小させ、どの技術を成長させるのか

 

トレードオフを見極める事で強い戦略となる事を本書では説明しています。

 

2. 北海道でセブンイレブンを打ち負かすセイコーマート

トレードオフを見極めて事業展開して、北海道内ではあのセブンイレブンをも上回っているのがセイコーマートです。

 

ここで、セイコーマートがセブンイレブン、その他コンビニと比較し、何をやらずに事業展開をしてきたのかを紹介すると下記の通りです。

  • コンビニの基本は都市集中型である。人口密度から考えると当然の戦略ではあるが、セイコーマートは北海道内の中でも地方をターゲットとしている。(都市型展開をしなかった)
  • 大手コンビニ3社はいずれも、自社PB商品はメーカに生産委託し、配送は外部配送業社に任せているが、セイコーマートは自社で食品製造を行い配送もしている(外部委託をしなかった
  • セイコーマートは24時間営業をしている店舗が少ない(過度な競争をしない)
  • 直営が多い(フランチャイズを活用しない

 

セイコーマートでは大手コンビニ3社にあるようなおでんやドーナッツは作っていないそうで、やらない事が他社と比べ明確です。

 

セコマは「何をやらないか」を決め、トレードオフを見極めた上で、様々な活動を密接に連携させ、北海道でセブンをも上回る存在となりました。

 

3. 身近に感じる本当に必要なの?と思うものをピックアップしてみよう

 

事業展開を行う中で戦略的に何をしないかを見極めるのは慎重にならなければなりませんが、例えば形骸的になっているシステムに関しては早いうちに切り捨てていってしまった方がいいかもしれません。

 

自分が特に不要だと感じるのは、ISO関係のマネジメントシステムです。あれはお金もかかるし労力もかかるのですが、毎年やっていることは変わりありません。

事業の資格要件などに深く関わっていなければさっさとやめてしまえ!と思っていたりします。

 

会社の中には、自分の評価を高めるため必要でない事をさも重要なことのように語り、無駄な手続きを増やしたがる人がいます。その人たちが作った無駄な慣習やシステムがあれば、早めに止めるよう皆に働きかけましょう。

 

そういう小さいところからいらないものを見極める練習を行い、事業においてもやらない事を見極められるように慣れればベストだと考えます。

 

 

 

 

定量的・客観的に選択肢を評価する「意思決定マトリクス」

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1. 意思決定マトリクス

物事を決定するときは、主観や定性的な情報に頼るばかりではいけません。何が本当に重要な事なのかを決定するためには、数値を用いた定量的・客観的な判断が必要となります。

 

定量的・客観的に選択肢を評価するために用いられるフレームワークが、「意思決定マトリクス」となります。

 

意思決定マトリクスは、【①評価対象を整理する】【②評価項目と重みを設定する】事で作成することができます。

 

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 ここでの選択肢1〜選択肢5が対象となった評価項目に該当します。

それらの項目に、それぞれ、実現性、緊急性、収益性、将来性といった重みつけをしています。

 

この例は私の会社の現状の問題点を整理したものなのですが、おそらくこれを社内の人に見てもらうと、数値の根拠や倍率を2倍にしているのは何故か?などの質問が来ると思いますので、その辺の根拠をあらかじめ用意しておくことが重要となります。

 

2. 重みつけを行えば相手の視点を変えることもできる

世間一般では「生産性を高めろ」と良く言われています。

うちの会社でも残業が多いこと、収益性の低下が見られることから、最近この言葉を耳にします。

 

しかし、生産性を高める事の本質は、「既存の業務に関する取り組み時間を短縮し、空いた時間に別の仕事を詰め込む事」だと考えています。

要するに、時間短縮をした後に何をするのかが重要になるわけです。

 

空いた時間で既存の業務数を増やし実行するのも一つの手だとは思いますが、それよりは空いた時間に単価の高い業務を実施した方が良いと考えますし、既存業務から単価の高い仕事にシフトしていければ一番の理想ではないでしょうか。

そういった意味でも自分は新しいことにドンドン挑戦していくべきだと思っています。

 

しかしどうも「生産性の効率」をゴールに話を進めたがる人がいたので、それよりも新事業の開発が重要だと分かってもらう必要がありました。

 

この考えを伝える時に役に立ったのが「意思決定マトリクス」です。使用したのは上表です。

 

実はこの表、複数人の意見を元に作成したのですが、当初は重みつけをしていませんでした。重みつけをしてない状態では、生選択肢2「産性の向上」がもっとも点数が高かったのですが、表を見せた後、重みつけをしてもらうことで、選択肢1「新事業の開発」がもっとも上位になったのです。

 

この結果、「生産性の効率」をゴールに話を進めたがる人に僅かですが別の視点を持ってもらう事が出来ました。

 

物事を評価する時に、収益性等重みつけをして考えると、また違った視点で物事を客観的に見る事ができるようになりますので、この辺をしっかり意識して話をする事が、相手を説得する際の武器にもなります。

株式会社GLAYにありがちなこと

 

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この記事は20分で書けました。

 

1. HISASHI係長が会社に来ない

 

HISASHI係長は傘を持たないので雨が降ったらまず来ない。晴れてても暑かったり寒すぎると会社に来ない。

たまに会社に来てもネットサーフィンをしたらすぐ帰る。

しかし彼は凡人では発想できないアイデアで会社に多大な貢献をすることがあるので、クビにもできない。

 

以前、なまけすぎているHISASHI係長にTAKURO社長が、「びゅーてぃほーどりーまー」の商品開発を依頼したところ、短期間で独創的な商品に仕上げたという実績がある。

2. TERU係長物忘れが減らない

 

TERUは物忘れがひどく、よく大切なことを伝え忘れたり間違えたりする。

普通に会話をしていると「TERU語録」と称される壊れた言語を駆使し始めるため、周りは焦る。

 

しかし、人となりの良さはずば抜けており、彼がどんなミスをしても大抵の人からは許してもらえる。

またステージ上からアリーナ席客の毛穴まで見えるなど、類稀なる身体能力を有しているため重宝されている。

 

JIRO課長からは物忘れの多さを指摘され、「仕事しろ。給料減らすぞ?」と大衆の前で怒られている。大衆は笑っていたがJIROの目は殺意に満ちていた。

 

3. JIRO課長責任感に押しつぶされがち

HISASHIとTERUという二つの爆弾に挟まれ働く彼の胃はすでに穴だらけである。しかし彼はこの会社の唯一の良心であり、本人も責任感が強いため一生懸命働く。

 

TAKURO社長曰く「会社を潰してもいいからJIROを休ませてあげたい」とのこと。

しかし後述する通り社長も彼のストレスの原因となっている。

 

あまりのストレスで大きなイベントに欠席したことがあるが、代わりにJIRO等身大パネルがイベントに搬入され大衆の笑いものにされるなど、休んでも地獄である事が証明された。

4.TAKURO社長 愛を語りがち

 

TAKUROは愛の伝道者であり、彼のヒット商品「会いたいから恋しくて」、「恋した日の胸騒ぎを」、「時に愛は二人を試している」、「これからもあなたを愛してる」は発売後20年過ぎた今でも多くのお客に愛されている。

 

しかしその愛の強さゆえに商品開発の際、JIRO、HISASHIに無理な依頼をすることも多く、会社に出てこないHISASHIの分まで頑張るJIROの胃を結果的に破壊している。

 

彼のウィキペディアの画像はほかの社員と比べて明らかに悪意を感じるものとなっており、株式会社を妬む企業が多いことがよくわかる一枚になっている。

雪山.png

ウィキペディアのTAKURO社長

ほかの職員がレッドカーペットを歩く中で一人だけ凍えそうなロッジの写真が使用されている。

【ビジネス】仲良くなくても仕事はできる。逆に行き過ぎた仲間意識が亀裂を生む

「森の木々と猫(フォトモンタージュ)」の写真

1. 海外の人と仕事をするためには仲良くなんてしなくていい

環境の仕事に携わっているとアジア諸国の人と仕事をすることがあります。

国ごとに文化や伝統、信仰、考え方、ユーモアも異なりますので、日本人を相手にするよりも気を使って仕事をすることになるのですが、別に仲良くなる必要はありません

 

なぜなら、上述した通り海外の人と仲良くなるには相手のことを知るということにエネルギーがかかりますし、日本と違って仲良くなれば便宜を図ってもらえる可能性も低いからです。

 

そもそも、お互い仕事上の付き合いとなりますので、依頼されたことに対し、しっかりと成果を出すことが最高のコミュニケーションとなるのです。

 

それでは、どうすれば海外の人と上手く仕事を出来るのかですが、重要なのは、「数字」を使うこと、そして「論理」的に話をすることです。

 

数値を元に過去の実績を整理すれば、例え言葉が上手く通じなくとも、グラフや表を見ることで問題や課題を共有することができます。

また、その数値を元に、「現状確認→特に重要な問題・課題の抽出→問題・課題の調査→解決策の提案」 というような論理的な提案ができれば、話はしっかりと進んでいきます。

 

今後の日本では、国内の人間同士でも価値観の多様化で分かり合えない人が増えてくるでしょうし、グローバル化の流れで外人と仕事をすることも増えるかもしれません。

 

そうなったとき、「無理して仲良くなって仕事をする」方法を考えるのではく、他人と接するうえで「数字」と「論理」を軸に話ができるようになったほうが、建設的だと考えています。

 

2. 「仲良くしなければいけない」という考えが、「同調圧力」に繋がる

 

それでも中には、人間同士仲良くなったほうが絶対いい!と考える人もいると思います。

一般的には仲間意識があるほうが、組織一丸となって強い力が発揮できると言われていますし、僕もそう思います。

 

ただ、仲間意識というものは行き過ぎると同調圧力を生み、調和しないものに対し敵意をあらわにするようにもなります。

一昔前でいうと「皆が残業しているのに何でお前は早く帰るんだ!けしからん!」という状態です。俺もやってるんだからお前もやれ!という不幸を平等に分けたい心理です。

 

余談ですが、小中高生にいじめが多い原因も、「クラス内では皆仲良くあるべき!=同じことを行い、考える」という空気が強いため、自分を持っている人ほどつまはじきにされてしまうのです。

逆に大学ではクラス内で仲良くする必要がない(同調圧力がない)ため、仲のいいもの同士が勝手につるみ、クラス内の別のコミュニティーや個人には無関心でいられますので争いはおこりません。

 

 

話をもどして、同調圧力下では、仲良し同士言い争いをしたくないという心理が働きますので、他者の意見に乗っかる人が増えます。結果として論理的ではないのに「発言権がある人」の考えがグループ内に浸透する可能性が高くなり、組織の舵取りに失敗するのです。

 

仲間意識をなくせとは言いませんが、必要以上に仲間意識をもつことはありません。

あなたはあなたの考えで働き、お客さんに満足してもらえばいいのです。

もしも仕事のノウハウをネットで公開したらどうなるのだろう

「夕映えの影」の写真

1. すべての仕事は誰かの攻略本

すべての仕事は、テレビゲームでいうところの「攻略本」だと思います。

攻略本の役割は大きく三つあり、レベル上げやアイテム入手方などの【①作業の効率化】、考えに生き詰まった時の【②問題解決へのアドバイス】、ゲームの設定や背景を深堀する【③付加価値の向上】があります。

 

 

攻略本の役割を仕事に当てはめると、

 

例1)経営コンサルタントであれば、

【①作業の効率化】=「会社全体の生産性を高めたい」という要望に対して顧客会社の経営構造等を把握し、効率化へのアドバイスを行う。

【②問題解決へのアドバイス】=お客さんが入らないラーメン屋さんに、お客さんの入店数を増やすアドバイスを行う。

【③付加価値の向上】=顧客会社の資源を洗い直し、あらたな強みを見つけ会社や業務価値を高めるアドバイスを行う。

 

といった感じです。

 

例2)美容師さんなら、

【①作業の効率化】=髪を切りたいお客さんへ、短期間で精度の高いヘアスタイルを提供する。

【②問題解決へのアドバイス】=くせ毛に悩むお客さんへ、くせを生かしたスタイリングや、縮毛を行いその後のヘアケア等のアドバイスを行う。

【③付加価値の向上】=髪を切っているときに、しっかり会話を行い、いい時間を作る

 

といった感じです。

 

多くの仕事はお客さんの問題を解決することから始まるので、お仕事をしている人は皆、誰かの攻略本になります。

 

2. 実際のゲーム攻略本はネットの台頭で発行部数を落としている

 

さて、実際のゲーム攻略本は売れ行きがよろしくないようです。

 

その理由はシンプルで、ネットで調べれば攻略本を使わずとも解決策がわかるようになったからです。

ネットの攻略情報は攻略者がその都度更新していきますので、掲載が早く、かつ精度が高いです。

加えて、多くのプレイヤーが掲示板を通して細かい課題を取り上げ、それを皆で解決していくこともあるため、痒い所に手が届く利便性があります。

 

ゲーマーの悩みに対して「情報」を売っていたゲーム攻略本は、無償で高品質の情報を扱うインターネットにその市場を脅かされてしまったのです。

 

3. ゲーム攻略本のように仕事のノウハウをネットで公開したらどうなるのか?(美容師さんの場合)

 

ゲーム攻略本は、ネット攻略サイトにその市場を奪われました。

それでは、仕事のノウハウをネット上に公開したらどのような反応になるのでしょうか?

 

 

ノウハウの幹となる部分をたくさん公開し、細部の問題については掲示板のようなモノを設け、すでに問題が解決した人からアドバイスをもらうといったサイトを作ったらどうでしょう。

 

 

おそらく、例2)のような美容師さんは大した影響は出ないと思います。

なぜなら美容師さんは時間をかけ経験を積んだ技術を持っているからです。

 

例え髪の切り方を詳しくネットで公開しても、一般の人は技術を学ぶのに時間がかかり、失敗する可能性も高いため、信頼できる技術を持った美容師さんに任せたいと思うはずです。(=ネットで髪切りのノウハウを公開しても市場自体は大きく変わらない)

 

ただ、ネットで髪の切り方が公開された場合、それを見て勉強する美容師さんが増えるかもしれません。そうなると、意欲のある美容師さんはどんどん実力を身に着けることとなり、結果としてたくさんの顧客を持つことにつながるかもしれません。(=ネットで髪切りのノウハウを公開することで、美容師さん間の実力差が生まれるかもしれない)

 

また、もしかしたら、髪について知識を持つ人が増え、美容師さんへ切り方などのオーダーをする人が増えるかもしれません。(=お客さんの求める品質の水準が高くなる)

 

 

髪の切り方をネットで公開した場合の結論としては、業界全体規模は縮小しないけども、美容師さん間で実力差が広がり、高品質なものを求めるお客のニーズが増えるといった感じでしょうか?

ある意味、実力主義の世界に拍車がかかる状態になるのかもしれません。

その状況下で頑張りたいという方は、ネットで髪切りの情報を上げるのもありかもしれません。

 

4. ゲーム攻略本のように仕事のノウハウをネットで公開したらどうなるのか?(コンサルの場合)

 

コンサルは持ち前の情報が大きな武器となります。要は、お客の知りたい情報や解決案を持っている人が信頼され、そうでない場合は別のコンサル会社に乗り換えられてしますのです。

 

そんな大切な情報をもしネットで公開した場合はどうなるのでしょう。

おそらくですが、市場はやや縮み、より高品質な情報を提供する状況になると思います。

 

 

美容師さんの髪を切る技術は、おそらくですがほとんどの頭の人で応用が利くものだと思います。ところがコンサルの場合そうはいきません。 

 

問題の対象やそれを解決するための組織構造、用意すべき実行プランなどは企業によって千差万別です。

たまにいい加減なコンサルが数字だけ入れ替えたような報告書を量産し納品しているケースもありますが、基本的には顧客に合わせたオリジナルの成果品を求められます。

 

ですので、基本的なノウハウをネットで公開しても、お客さんは自社にあった形で応用するのが難しく、ライバル企業も基本的な勉強はできても、お客さんの組織体制にあった提案勉強まではできないのです。

 

とはいえ、、「ラーメン屋さんが売れるための手法」レベルの課題であれば、情報を公開したらそれを参考に独自で成功されるラーメン屋さんが増える可能性は大いにあります。

 

要するに、経営規模の小さい組織の悩みや、課題のレベルが低いものであれば、ネットに公開したノウハウが大きく役立つということです。(※飲食のコンサルでも深いノウハウが必要なケースも多々あります。決して飲食コンサルが簡単というわけではありません)

 

結果として、業務レベルの簡単なコンサルの仕事は減ることになると思います。

 

また、ネットでお客さんが知識をつけると、お客さんの要望も高くなりますので、高品質の成果物が求められるようになります。これは美容師さんと同じです。

 

仕事のノウハウをネットに乗せることは、人々の小さな問題を解決することになり、代わりに高品質の成果物を求められるため、複雑多様化した案件が増えることになると思います。

 

5. 動画でノウハウを公開したら意外といいのか?

 

ここまでの文章はネット上で図や文章でノウハウを公開すると想定して書いていました。

 

では、youtuberがやっているように、動画で仕事のノウハウを伝えるとどうなるのでしょうか?

市場が縮み、高品質なものを求められることに変わりはないかもしれませんが、プレゼン者に対しての評価が上がり、この人に仕事をお願いしたい、なんてケースが出てくるかもしれません。

 

動画の世界はまだまだ可能性がありそうです。

【MBA】書籍「エクセレント・カンパニー」 より企業のエクセレントフォームを考える。

「満月を背に(フォトモンタージュ)」の写真

著書「エクセレントカンパニー」ではアメリカの超優良企業がどう考え、行動しているかを解き明かした一冊です。本記事では本書を参考に、現代に通じる企業のベストフォームをご紹介します。

エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)

エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)

 

 

1. 行動の重視「やってみよ!ダメなら直せ!試してみよ!」

成功のために必要なのは、迅速な行動と、数多くの実験を行うことです。

超優良企業はどこも「やってみよ!ダメなら直せ!試してみよう!」と考え、実戦をしています。

日本ではサントリーが「やってみなはれ精神」を持って取り組みを行っていることが有名です。

 

この事は多くのビジネス書に必ずと言っていいほど書かれています。ビジスネやそれ以外においても最も普遍的な原則です。

 

2. 顧客に密着する。顧客から学ぶ

超優良企業は目先の収益にとらわれず、徹底的に顧客思考です。

 

IBMの狩猟製品だった大型コンピューターは業界最高性能ではありませんでしたが、社員達は顧客サービスで他社を圧倒し、顧客で問題が発生するとあらゆる手段を使い迅速に解決していました。社員達は「顧客に雇われているつもりで行動する」と考えていたそうです。

IBMは一度この姿勢を忘れ破綻に追い込まれましたが、この姿勢を取り戻した時に復活を果たしました。

 

別の話で、化学機器メーカで商品アイデアの源は何かを調査した研究がありました。この結果、「今までになかったタイプの新商品」11種類は全てユーザーのアイデアから生まれたとのことです。

 

超優良企業は「収益は顧客志向の結果」と考え、徹底的にユーザーに耳を傾けています。

 

3. 自主性と起業家精神。組織に多くのリーダーを育てる

超優良企業では、社員に「何をやるか」、「どうやるか」という自主性を持たせています。

そのためには徹底的に数をこなしています。成功確立10%の難題でも、10回やれば成功確率は65%まで向上します。

 

世間では働き方改革で、残業時間を短縮する傾向にありますが、そんな中でもしっかりと効率化し、数をこなす事が重要となります。

 

4. 人を通じて生産性向上。人がアイデアを生む最大の資産

人を動かす秘訣はただ1つ、信頼することです。

一人前の大人として信頼すれば、人は必ず期待に応えてくれます。

超優良企業はどこも「個人の尊重」を掲げ社員を大切な資産として考えています。

 

期待をされない社員と見られると、本人も萎縮したりやる気をなくして本来の実力を出せなくなってしまいます。

周りに落ち込んでいる人や迷っている人がいたら、その人の良いところをしっかり見定め、信頼して接するようにしましょう。

 

5. ブレない価値観を持っている

超一流企業は必ず核となる信条があります。それ故に首尾一貫した行動を実践できるのです。

自分の会社に信条がない場合、もしくは信条とは違った行動を組織が取り始めているときは、今一度組織の状況を見直すことをお勧めします。

 

6. 基軸から離れない。分からない事には手を出さない

超優良企業は、自分がわからない事に両足を突っ込むことはしません。新たな挑戦をしないというわけではありません。

ある程度の多角化で新たな環境に適応しつつ、基本から離れることはありません。

 

ダメな企業は様々な分野に次々と多角化をします。原則なき多角化は失敗することが多いです。

 

7. 常にすっきりと単純化。本社は絞り込んだ少人数

会社が大きくなると複雑になり、本社が肥大化し、管理作業が増えます。それでも超優良企業は常に組織を単純にするように努力を続けています。

価値観が統一されているので、流動的に組織を組み替えてもちゃんと社員達が動いていきます。

 

8. 厳しくも穏やかな一面を持つ

これらの取り組みを実践することで、厳格に管理しながら、一方で社員が自主性と起業家精神を発揮できるような環境を維持しています。

 

 

以上、簡単に企業のエクセレントフォームをご紹介しました。

表面上のことを記事にはまとめていますので、より詳細が知りたい方は是非本書を手に取って確認して見てください。

 

 

【MBA】イノベーションのジレンマによってデジカメはスマホに市場を奪われた

「PENTAX K-1 MarkⅡのボディとミラー」の写真

1. コンパクトデジカメがスマホに市場を奪われた

ほんの10年前まで、写真撮影の主流はコンパクトデジカメでした。しかし、今日では多くの人がスマホで気軽に写真や動画を撮影し、インターネット上でシェアをしています。

 

きっかけは2008年に登場したiPhoneです。

当時のiPhoneはカメラ性能も優れてはおらず、電話にオマケでカメラがついた程度のものでした。

カメラメーカは「こんなものはオモチャだ」と相手にしてきませんでしたが、2016年にはデジカメの生産量は8分の1まで激減してしまいます。

iPhoneをはじめとしたスマートホンに市場を奪われてしまったのです。

 

この間、デジカメメーカは余裕をこいて性能向上を怠っていた訳ではありません。しっかりと顧客の声に耳を傾け、膨大な技術開発投資を続けていました。

 

それなのに何故、デジカメメーカは市場を奪われてしまったのでしょうか。

 

2. デジカメメーカは持続的技術に集中しすぎた

「禅禅禅座」の写真[モデル:河村友歌]

ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセンは「リーダー企業は競争感覚を研ぎ澄まし、顧客に注意深く耳を傾け、新技術に積極的に投資するからこそ、リーダーの地位を失う」と指摘しています。

 

カメラメーカは、同業他社をしっかりと分析し、戦略的に商品の開発・販売を行ってきたと思います。

しかし、それ故に、同業者以外の参入(スマホメーカ等)に対し、脅威を感じるのが遅くなってしまった事は否めません。

 

また、顧客からは「解像度を上げてほしい」、「デザインを変えてほしい」などの要望があり、それにもしっかり対応してきたのだと思います。

このような製品性能を高める技術を持続的技術と呼びますが、この持続的技術は時に、破壊的技術によって市場そのものを奪われてしまうことがあります。

 

破壊的技術とは、製品性能は下がるが、低価格、シンプル、小型化などを実現し、それまで使わなかった新しい顧客に使われる技術を指します。

スマートホンはデジカメより、カメラ機能は劣るが、メールを送れ、常に持ち歩きができるといった点で、デジカメメーカでは取得できなかった顧客層を取り入れていきました。

 

そして破壊的技術は時間とともに性能を高めていきますので、今ではカメラ機能も充実したスマホが世に普及しています。

こうなると、デジカメが市場から追い出される当然な流れだと見て取れます。

 

3. 実はデジカメもフィルムカメラから市場を奪っていた

「消してぇー リライトしてぇー」の写真[モデル:朽木誠一郎]

このような状況をイノベーションのジレンマと呼びます。

革新的な技術やビジネスモデルで従来の企業を打ち破った企業が、大企業になると革新性を失ってしまう状態や、さらに最先端の技術開発をしても成功に結びつかない状態などを、総じてイノベーションのジレンマと呼ぶ。

イノベーションのジレンマとは・意味|MBAのグロービス経営大学院

 

実はデジタルカメラもかつてはイノベーターとしてフィルムカメラを市場から追い出しています。

リーダー企業は新しい技術に淘汰され、新しくリーダー企業になった組織もいずれは新しい技術に淘汰されていくというある意味健全な流れなのかもしれません。

  

リーダー企業になった時には、持続的技術を磨くとともに、破壊的技術の脅威を探りながら事業を行うことがいかに重要かがよくわかります。